配管技術には、知っていると仕事がスムースに運び、失敗につながらない“ツボ(ポイント)”がある。本書は、そのポイントを100取り上げ、配管現場の事例をあげながら、図・イラストを豊富に使ってわかりやすく解説する。
はじめに
第1章 設計図書を作成する
ポイント1 多大な工数と期間を要する配管設計
2 P&IDは隅々まで読み解く
3 ラインリストは配管の戸籍簿
4 耐圧部材質を決める配管クラス
5 アイソメ図は見やすい、しかし注意すること
6 規格・基準には日頃より親しんでおく
第2章 配管をレイアウトする
ポイント7 情報交換の媒体となる配管レイアウト図
8 配管レイアウト策定のポイント
9 ポケットと勾配に注意を向ける
10 機器周りの配管は監視、操作、分解のしやすさ
11 パイプラックと配管の載せ方
第3章 材料を選択する
ポイント12 もっとも使う炭素鋼・低合金鋼
13 ステンレス鋼管を選択する理由と弱点
14 炭素鋼系材料は低温脆性に気をつける
15 管継手、弁の材質は管の材質に準じる
16 材料の許容応力は温度に依存する
17 プラスチック管の長所と短所
18 埋設管材料は地盤変動に対応できること
19 管内外面を防食するライニング材
第4章 圧力を閉じこめる
ポイント20 圧力には応力で対抗する
21 内圧に対する強度を保障する方法
22 管の厚さは周方向応力で決まる
23 直管の強度計算式
24 エルボの強度計算式
25 管の穴は補強を必要とする
26 管のスケジュール番号は一種の圧力クラス
27 バルブの圧力クラスである圧力-温度基準
28 負圧に対する管の強度
第5章 流体を運ぶ
ポイント29 圧力損失は粘性、表面粗さ、乱れから起こる
30 ベルヌーイの式から水力勾配線を画く
31 レイノルズ数が層流・乱流を決める
32 損失水頭は一般に流量の2乗で増える
33 ムーディ線図から管摩擦係数を読む
34 水面のある流れの損失水頭を計算する
35 バルブ、管継手で生じる局所損失の計算
36 配管のサイジングと標準流速
37 圧力差から流量を、流量から口径を求める
38 ポンプがある配管系の流量を計算する
39 圧縮性流体の流量近似値を求める
40 飽和水は減圧するとフラッシュする
41 ポンプキャビテーションとNPSH
42 「重力による流れ」が安定して流れる条件
43 背圧はできるだけ低く抑える
44 Uシールの使いみち
第6章 振動・水撃の発生を抑える
ポイント45 配管の励振源と振動の分類
46 避けねばならぬ共振現象
47 振動源がなくても振動する自励振動
48 気柱振動は定在波(気柱共振)を避ける
49 疲労すれば配管も壊れる
50 流れの急変で起こる水撃
51 水柱分離は激しい水撃を呼ぶ
52 流れの衝突により起こる水撃
53 蒸気凝縮による水撃
54 耐震は支持構造物の変形・破損にも注意
第7章 熱が配管に及ぼす影響
ポイント55 変位が止まれば止まる二次応力
56 配管熱膨張とフレキシビリティ
57 熱膨張応力が降伏点になっても配管は壊れない
58 相対変位に対する許容最小スパン
59 熱膨張反力を軽減するコールドスプリング
60 高温域で要注意のクリープと応力緩和
61 静かに、繰り返しつつ進む熱衝撃
62 保温、火傷防止、保冷の厚さは早期に決める
第8章 腐食と防食
ポイント63 大方の腐食は電気化学的に起こる
64 電気化学的な隙間腐食・孔食応力腐食割れ
65 異種金属接触腐食と逆転の発想の電気防食
66 水素は金属に吸収されて悪さをする
67 流体の動的作用により起こる減肉
第9章 配管コンポーネント
ポイント68 配管に使われる継手
69 フランジ継手の形式
70 ガスケットの気密性は高い面圧
71 曲げる・分岐する・口径を変える
72 種類もいろいろあるチューブ継手
73 さまざまな機能のバルブ
74 バルブ形式と圧力クラス、選択のポイント
75 閉め切る目的の仕切弁
76 「絞り」ができる玉形弁
77 逆流により逆流を防止する逆止弁
78 90°回せば全閉・全開するバルブ
79 一気に全開する安全弁
80 結果をフィードバックして調節するバルブ
81 バルブを自動で動かす装置
82 伸縮管継手に圧力がかかると推力が発生
83 推力の受けとめ方にいろいろある
84 ストレーナの有効面積は大きく
85 トラップの用途と分類、選択のポイント
86 浮力で流体を識別するトラップ
87 温度で流体を識別するトラップ
88 サーモダイナミック式トラップ
89 配管サポートの種類と配置
90 スプリング/コンスタント ハンガ
91 ばね式/油圧/メカニカル防振器
92 配管の動きを制限するレストレイント
93 配管サポート用梁の材料力学
94 曲げモ-メント図、せん断力図を画く例題
95 温度計ウェルは接液長さが大事
96 圧力計用導管は座の向きが大事
第10章 製造・検査・据付
ポイント97 配管製造・据付手順
98 配管溶接の特徴と熱処理
99 配管の各種非破壊試験の特徴
100 最後の仕上げ配管の耐圧・気密試験
コラム
配管技術でよく使う単位
配管技術でよく使う物性値
梁の曲げモーメント・たわみ
種々断面の断面性能
よく使われる国内外の規格・基準
よく使うスケジュール管諸元
配管関係でよく使われる略号
有効数字を意識して計算する
さらに技術を磨きたい人のために
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