近年、新たな煙制御システムの規定が整備され、大臣認定制度に基づく性能設計も行われている。本書は、このように高度化した技術を適切に取り扱うため、最新の知見や技術を紹介し、法令を尊重したより合理的で望ましい煙制御計画のあり方を提案している。
2011年3月に「建築物の煙制御計画指針(案)」が刊行されているが、このたび内容のさらなる充実を図った上で,その妥当性について合意が得られたため(案)が削除された。
第1 編 煙制御計画の実際
第1 章 煙制御の目的と考え方
1.1 火災の歴史と煙の害
1.1.1 建築火災の歴史
1.1.2 火災と煙
1.2 火災安全設計と煙制御
1.2.1 煙制御の目的
1.2.2 煙制御の位置づけ
1.2.3 火災の進展プロセスと煙制御
1.2.4 消防活動支援と煙制御
1.3 煙制御の考え方と方法
1.3.1 煙制御の考え方
1.3.2 煙制御計画
1.3.3 煙制御の方式
1.4 煙制御設計と法規
1.4.1 法的枠組みと設計手順
1.4.2 消防活動支援のための煙制御
第2 章 煙制御設計の方法
2.1 煙制御の種類
2.2 設計方法の概要
2.2.1 煙制御方式の選択
2.2.2 設計の手順
2.3 蓄煙方式の設計法
2.4 排煙方式の設計法
2.4.1 自然排煙
2.4.2 機械排煙
2.4.3 押し出し排煙
2.5 遮煙方式の設計法
2.5.1 遮煙に関する基本事項
2.5.2 付室加圧防煙
2.5.3 階段室加圧防煙
第3 章 煙制御設備
3.1 防煙区画と防火区画
3.1.1 防煙区画と防火区画の概念
3.1.2 防煙区画
3.1.3 防火区画
3.2 自然排煙設備
3.2.1 システム構成
3.2.2 自然排煙口
3.2.3 給気ルートの確保
3.2.4 開放装置
3.2.5 設計の注意点
3.3 機械排煙設備
3.3.1 機械排煙のシステム構成
3.3.2 排煙口
3.3.3 排煙口開放装置
3.3.4 排煙ダクト
3.3.5 排煙ファン
3.3.6 煙排出口
3.3.7 設計手順
3.3.8 避難安全検証法により機械排煙を設計する場合の特徴
3.4 押し出し排煙設備
3.4.1 押し出し排煙設備の特徴
3.4.2 押し出し排煙設備の原理
3.4.3 押し出し排煙設備の設計法
3.5 付室等の排煙設備
3.5.1 付室等の排煙設備の目的と種類
3.5.2 各排煙設備の概要
3.5.3 自然排煙方式の設計
3.5.4 機械排煙方式の設計
3.5.5 加圧防排煙方式の設計
3.6 階段室加圧防煙設備
3.6.1 加圧防煙設備の構造
3.6.2 設計の注意点
3.7 空調兼用排煙設備
3.7.1 空調兼用排煙設備の実績
3.7.2 空調兼用排煙設備の分類
3.7.3 空調兼用排煙設備に係わる法令
3.7.4 空調兼用排煙設備の要点
3.8 煙制御設備の遠隔監視制御
3.8.1 中央管理室・防災センターの設置基準
3.8.2 遠隔監視・制御システムの概要
3.8.3 制御方式
3.8.4 各機器の制御方式
3.8.5 制御装置および制御盤
3.8.6 中央監視装置(防災盤)
3.9 煙制御設備の電源設備
3.9.1 電源の種類
3.9.2 配線
第4 章 空間別・用途別の煙制御設計
4.1 空間別の煙制御設計
4.1.1 一般居室
4.1.2 廊下
4.1.3 階段付室・非常用エレベーター乗降ロビー
4.1.4 高層建築物の階段
4.1.5 エレベーターシャフト
4.1.6 アトリウム・吹抜け
4.1.7 大空間
4.1.8 地下空間
4.2 用途別の煙制御設計
4.2.1 事務所建築
4.2.2 ホテル・旅館
4.2.3 百貨店・大規模店舗
4.2.4 劇場・映画館
4.2.5 共同住宅
4.2.6 病院施設
4.2.7 社会福祉施設
4.2.8 レストラン・飲食店
4.2.9 大学・研究所
4.2.10 学校
4.2.11 美術館・博物館
4.2.12 展示場
4.2.13 スポーツドーム
4.2.14 屋内自走式駐車場
4.2.15 倉庫・工場
4.2.16 ショッピングモール
4.2.17 地下街
4.2.18 鉄道・地下鉄駅舎
第2 編 煙制御計画に関する技術資料
第5 章 煙流動の基礎知識
5.1 火炎に関わる性質
5.1.1 燃焼
5.1.2 火炎
5.1.3 発熱速度
5.1.4 煙
5.2 流れに関わる性質
5.2.1 基礎用語
5.2.2 流れの基礎式
5.2.3 圧力差分布がない場合の開口流量
5.2.4 圧力差分布がある場合の開口流量
5.2.5 竪穴空間の煙突効果
5.3 熱に関わる性質
5.3.1 熱輸送の分類
5.3.2 熱の基礎式
5.4 火災室のモデル化
5.4.1 火災プルーム
5.4.2 天井ジェット
5.4.3 二層ゾーンモデル
5.4.4 一層ゾーンモデル
5.5 煙性状予測モデル
5.5.1 二層ゾーンモデル
5.5.2 多層ゾーンモデル
5.5.3 CFD(数値流体解析モデル)
第 6 章 各種煙制御方式の計算例
6.1 概要
6.2 蓄煙方式の計算例
6.3 自然排煙方式の計算例
6.4 機械排煙方式の計算例
6.4.1 簡易な算定手法
6.4.2 天井チャンバー方式
6.5 付室加圧防煙の計算例
6.5.1 必要給気量の計算
6.5.2 建築基準法告示と消防法告示に基づく計算例
6.6 階段室加圧の計算例
6.7 非定常煙流動予測計算例
6.7.1 二層ゾーンモデルによる計算例
6.7.2 CFD(FDS)による計算例
第 7 章 火災時の人間の挙動と避難計画に関する基礎知識
7.1 火災時の人間の挙動
7.2 多人数での避難
7.3 災害時要援護者の避難
7.4 煙・熱の中での人体への影響と避難行動
7.5 避難計画の原則と手法
7.6 避難安全性の評価
付録 火災事例
わが国の火災
諸外国の火災
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