地球温暖化防止、低炭素社会実現のため、個別の建物での環境対策が求められています。中でもビルディングオートメーションの建物環境データ管理機能は建物のインフラとして不可欠なものとなっています。本書は、ビルディングオートメーションが省資源、省エネルギー、クリーン環境の実現によって地球環境保護に貢献するとの認識にたち『環境共生時代の…』と題しました。
ビルディングオートメーションの実現形態としては監視用端末と制御装置が接続されるネットワークシステムによって成り立っています。また、適用される技術としてはシステムと制御の2つの分野に大きく分かれ、さらに、システムはITネットワーク、制御では水と空気についての物理法則、制御理論、建物設備の技術分野に細分されます。本書は入門者にとって全体をまず広く俯瞰し、次に個別の分野に進むことができるように、ビルディングオートメーションの全体について、最小限ですが同時に実務で使用できるものとして説明しています。
したがって、これから参加する人にとってはもちろんのこと、すでに実務に携わっている人にとっても知識の棚卸しとして役にたつ内容です。
<改訂にあたって>
今回の改訂では、まず初版からの約10年間の時間を埋めるために現在最新と考えられる製品、空調方式、空調設備機器、制御手法に変更しました。また、著者らがこの間に実施した本書を基にした社内研修の結果を反映して内容項目の追加及び、全体の流れを見直しました。また、BACnetが一般的になり、管理システムの担当者はもとより、制御機器を内蔵した設備機器の担当者にもBACnetの知識が求められるようになりました。そこで、新改訂版では第Ⅳ編ビル管理システムでBACnetによるシステム構築方法について具体的に解説しました。また、前回の改訂から現在までの筆者の社内外での執筆、講義の内容を反映し、また、より分かりやすいように構成を見直し、図表、写真を追加しました。
第Ⅰ編 基礎知識
01 空気調和の目的
02 単位
03 PID 制御とは
04 空気線図
05 検出器
06 操作器
第Ⅱ編 空調機制御
07 空調機の構成
08 各種空調方式
09 計装図の見かた
10 温度制御
11 湿度制御
12 外気取入れ制御
13 運転停止と各種制御
14 DDC の構成と制御プログラム
15 電気式計装と制御回路
16 指示調節計式計装と制御回路
17 変風量空調機の計装と制御
18 ファンコイルユニットの制御
第Ⅲ編 熱源制御
19 熱源システムの構成
20 熱源機の種類と特性
21 冷温水配管と熱源方式
22 ポンプと配管系
23 配管系の圧力線図
24 熱源コントローラ
25 密閉式熱源の計装と制御
26 熱源機の運転制御
27 二次ポンプの台数制御
28 二次ポンプ差圧制御
29 一次ポンプ変流量制御
30 冷却水の制御
31 熱交換器の制御
32 熱源用制御弁の選定
33 圧力発信器,流量計の選定
34 その他の熱源システム機器計装例
第Ⅳ編 ビル管理システム
35 システム構成
36 システム機能
37 ビル管理システムの設計
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