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商業施設の貸付条件として、基準空調として、送風量6,800m3/h、内部冷房負荷処理能力として70kWを提示されていると言う事でしょうか?
貸付面積=200+60+30+40+30+20+10+5=395u、面積当たりの送風量=800÷395=17.2m3/h・uとなります。 送風条件が不明なので、とりあえず送風温度差10℃と仮定した場合は、送風量17.2m3/h・uより、送風量当たりの顕熱処理能力=0.33×17.2×10≒56.76W/uとなります。 内部負荷処理能力=70kWと比較すると、56.76×395≒22,420W→22.4kW、潜熱処理能力=70−22.4=47.6kWとなります。
室内温度=26℃、相対湿度50%RHとして、吹出温度差10℃、吹出条件 26-10=16℃DB、90%RHと仮定した場合は、吹出空気の比エンタルピーは、42.0kJ/kgDA、室内条件の比エンタルピーは、52.9kJ/kgDA、比エンタルピー差=52.9−42.0=10.9kJ/kgDA、送風量6,800m3/hの場合の内部負荷処理能力=6,800×1.2kg/m3×10.9kJ=88,944KJ/h→88944÷3600s=24.7kWとなります。 70kWは、内部処理能力では無いようですね。空調機の冷却コイル能力を送風量で案分した値だと思います。
冷却コイル能力から、比エンタルピー差を逆算します。
70kW×3600s÷6,800m3÷1.2kg/m3≒30.9kJ/kgDA、コイル入口空気状態は、52.9+30.9=83.8kJ/kgDAとなります。 34℃DB、57%RHの比エンタルピーは83.5KJ/kgDAです。 この結果から、空調機は全外気運転だと思われます。
仮に、全外気運転の空調機だとしたら、送風量は必要外気量で案分する事になります。
送風量の面積案分は、17.2m3/h・uです。 一人当たりの必要外気量を30m3/hと仮定した場合は、人員密度=17.2÷30≒0.57人/uとなります。
395uの場合は、395×0.57≒225人まで対応可能です。
各室の人員密度が0.57人以下の場合は、各室面積に17.2m3/hをかけて、各室送風量を決めて良いでしょう。
内部顕熱処理能力=56.7W/uなので、一般的な内部負荷には足りないと思います。
外壁に面して無く、商業施設の中間階ならば、構造体負荷は少ないので、多少内部負荷を処理する事は可能ですが、外壁に面していて外部サッシなどの日射負荷がある場合は、個別パッケージなどで、足りない負荷を補う必要があります。
一般的な商業施設の基準空調としては、内部負荷として150W/u程度を準備する必要があります。
まずは、各室条件から内部負荷を算出する必要があります。 構造体負荷は、ビル側から提示してもらう必要があります。(インテリアゾーン、ペリメーターゾーンで想定構造体負荷が算出済みのはずです)
テナント側の内部条件(人員・照明・機器発熱)から、内部負荷を算出し、構造体負荷を加算して、各室負荷を算出します。 空調機送風量の内部顕熱処理能力をそこから減じて、必要なパッケージ能力を算出します。
例
居室A、200u、人員=0.57×200=114人、人員全熱負荷=114×100W=11、400W、照明負荷=20W/u×200u=4,000W、機器発熱=5W/u×200=1,000W、構造体負荷=50W/u×200u=10,000W、合計=11.400+4,000+1,000+10,000=26,400W、空調機の顕熱処理能力=56.7×200=11,340W、パッケージの必要全熱処理能力=26,400−11,340=15,060W→16kW
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