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以前、同様な相談をされ、次のように回答したら理解してもらえましたので、参考までに掲示します。
ダクトの圧力損失Δp:
Δp=(直間部抵抗係数+局部抵抗係数)×動圧
Δp=(λ× L/d + ζ )×ρ × v^2/2 (1)
λ: 管摩擦係数
L: ダクト長さ (m)
d: ダクト径 (m) (円形ダクト:矩形ダクトは円形ダクト系に換算する)
ρ: 空気密度 ≒ 1.2kg/m3
v: ダクト内流速 (m/s) v = Q/d^2 × 4/3600π
π: 円周率3.14
Q: 風量 (m3/h)
ζ: 局部損失係数
参考:主なダクトの管摩擦係数(参考値)
アルミフレキシブルダクト λ=0.03〜0.04
塩化ビニール管 λ=0.01〜0.02
亜鉛メッキ鋼管 λ=0.016〜0.025
式(1)の速度vに、v = Q/d^2 × 4/3600πを代入します。すると、(1)式は変数がQだけになり、残りは全部定数の既知となります。式(2)のようになります。
Δp={(λ × L/d + ζ )×ρ/2×(4/3600π×d^2)^2 }× Q^2 (2)
右辺のQ以外は全て定数なので、仮にAとおくと、
Δp=A× Q^2 (3)
ここに;
A={(λ × L/d + ζ )×ρ/2×(4/3600π×d^2)^2 }
という関数になります。
これは中学で習った2次関数曲線です。そのため、PQ曲線にダクトを接続した抵抗曲線は右肩上がりの曲線になっています。メーカーのカタログに記載されている抵抗曲線は、式(2)に、ダクト長さ5,10,15m,・・・等、数値を任意で入力して描いています。
中学で習ったとおり、Δpをy、Qをxとおくと、(3)式は(4)式になります。
y=A・ x^2 (4)
このグラフを、Qが変数なので、0〜任意の間隔で数値を入力すると、縦軸のΔpが計算されます。(Q、Δp)の組み合わせをプロットして直線で繋ぎ、ファンのPQ曲線と重ねると、交点が運転点になります。
以上が、図解法となります。
精度よく求めたい場合は、プロットするQの間隔を差分法のように狭くし、プロット間を線で繋げば良いです。
数値解析で求めたい場合は、Qを説明変数として、ファンのPQ曲線を多項式近似します(P1=f(Q))。
同様に、ダクトの抵抗曲線も多項式近似します(P2=f(Q))。
いま、P1-P2を改めてp=F(Q)という関数とし、Excelのソルバーで、変数をQとし、pを最小化すれば、応答点が数値で求められます。多項式になっているため、手計算では求められず、ソルバー機能を使うのが便利です。
本格的に数値解析で求めたい場合は、ニュートン・ラプソン法や二分法で求めるしかありません。
図解法が便利だと思います。
参考になれば幸いです。
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