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>勉強不足で、わからないところがあるのですが、50ATのケースブレーカーの
>二次側に3.5sqの電線で動力機器が接続されている場合、
>動力機器で不具合があって、異常な電流が流れたときに
>50TAではトリップが起きず、3.5sqの電線が焼けてしまう
>可能性があるという考えで宜しいんでしょうか?
動力負荷に不具合が起きて・・・という表現は正確ではないので、
私の解釈を述べます。不具合の状態ですが、負荷が重すぎて電動機が
過負荷状態になり、電流値がジワジワと増えた場合は、過電流保護装置
(一般には電磁開閉器のサーマルスイッチ)が動作し、電磁接触器を開放して
負荷への電流を遮断します。この電流値は、せいぜい全負荷電流の
数倍以内です。三相の200V 2.2kWでは全負荷電流は10A以下なので、
12A程度が数分間続くと、サーマルのバイメタルが温まりスイッチを
動かします。そのスイッチで電磁接触器を開放します。
たとえばIVの3.5Sqの許容電流は周囲温度が40℃ならば余裕を見て25A程度は
連続して流して問題になりません。
この過負荷電流は3.5Sqの電線の電流容量からすれば、まだ問題にならないうちに、
電流を遮断して電線を損傷から守れます。このくらいの電流値なら電動機も焼損する前に保護できるかもしれません。そのために電磁開閉器を用いています。
>機器自体に保護装置(過電流保護装置など)が付いていた場合は保護装置が働いた
>段階で、電流が流れなくなると考えれば、50ATのケースブレーカーに
>3.5sqの電線で動力機器を接続していいということにはなりませんか?
MCCBは電路(≒電線)を守る機器で、動力負荷(電動機)を守るものではありません。
電動機を守るのは電磁開閉器などの過負荷保護装置です。
MCCBは電路が短絡などで数千A程度の電流が流れた場合に電線が焼損するのを
防ぐ機器です。過負荷の電流から電線を守るためではありません。
短絡電流は電源の変圧器の容量や電線の長さ、太さで大体が決まります。
3.5Sqの電線を短絡電流から守るには50AのMCCBの遮断特性では焼損から守れないのです。
もっと早く小さい短絡電流のうちに遮断できるような特性のMCCBを用意する必要があります。
50ATのMCCBで守れる電線は最低でも5.5Sqで、できれば8Sqでなければなりません。
これはMCCBの遮断特性からくるもので、短絡電流から保護すべき電線サイズに合わせて
MCCBのフレームやトリップ値を選定します。
短絡電流と過負荷電流は性質が違うものです。過負荷電流には電磁開閉器で対応し、
電動機を守ります。短絡電流のような数千Aの事故電流にはMCCBの遮断特性で電路守ります。
MCCBの中には過負荷保護もできるモータブレーカーもあります。
電動機の容量に見合ったものを選びます。
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