Page 148 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼SUS & 銅管 接続に関して 初級施工者 03/8/1(金) 17:57 ┗Re:SUS & 銅管 接続に関して 六馬身 03/8/3(日) 15:44 ┗Re:SUS & 銅管 接続に関して 初級施工者 03/8/4(月) 9:25 ─────────────────────────────────────── ■題名 : SUS & 銅管 接続に関して ■名前 : 初級施工者 ■日付 : 03/8/1(金) 17:57 -------------------------------------------------------------------------
私、初級施工者です。 色々と悩み事が多いのですが、今回は某物件で、給湯配管で銅管(CUP-M)を使用することになり、貯湯槽(SUS444製)、SUSラインポンプ、温度計・圧力計(保護管)、などSUSとの接続箇所が多々あるのですが、その際は、絶縁継手・絶縁ユニオンなどを使用して接続しなければいけないのでしょうか? ラインポンプ、貯湯槽などは接続可能だとは思いますが、温度計などはどうしているのでしょうか? 空衛学会の仕様書など、いろいろな書物を読みあさってみたんですけど、これといった解答がなされていません。 知り合いの設備業者に聞いてもやっているところもあるし、やっていないところもあるしとばらつきがあります。 異種金属管は、絶縁しなければいけないのはわかるのですが、SUSと銅管の電位差から考えると必要ないのではないかと考えています。 現場管理をなさっているかたなど、どなたか理論と現場の意見をお聞かせください。 よろしくお願い致します。 |
空調屋の意見ですから参考程度に考えてください。 施工性の悪い(タッピングや材質)部位は同一材質で対応すると、比較的簡単に なります。 銅管に固執しないで、部分的(貯湯槽廻り)にステンレスで統一する手があります。 温度計もステンレス製で対応すれば問題ないかと思います。 銅管⇒ステンレス(SUS304)で許可されない理由はありません。 絶縁については、電位差少なく通常は無視しますが、加工性を考慮してラップ ジョイント等で接続してもよいのでは。 参考資料 標準電位列又は電気化学列(イオン化傾向) (electromotive force series) V (SCE)(飽和カロメル電極基準saturated calomel electrode ) 白金 0.33V 貴 チタン 0.00 (base) ステンレス鋼(316) 不動態 -0.04 ※不動態(passive state) ↑ 銀 -0.06 ステンレス鋼(304) 不動態 -0.08 仲良しグループ 青銅(6-10%Sn) -0.14 仲良しグループ 黄銅(85Cu-15Zn) -0.15 仲良しグループ 銅 -0.17 仲良しグループ α黄銅(70Cu-30Zn) -0.20 仲良しグループ 標準水素電極 H2/H+ -0.24 SHEの時 0.00V(Standard Hydrogen Electrode) ニッケル(活性) -0.24 α+β黄銅(60Cu-40Zn) -0.27 選択腐食(脱亜鉛腐食dezincification) ステンレス鋼(304) 活性 -0.28 ※不動態が破損した時 錫(すず) -0.46 鉛 -0.50 鋼管、鋳鉄 -0.46〜-0.65 ジュラルミン -0.61 アルミニウム -0.78 亜鉛 -1.07 ↓ マグネシウム -1.60 卑 (noble) アルミニウムが一番イオン化しやすいが、その酸化物の構造が緻密で表面を外界 から保護する。 異種金属接触腐食(galvanic corrosion) 両電極の自然電位の差が 0.05V以下ならば通常は無視。がしかし、必ずしもそう とは限らない。亜鉛鍍鋼管と青銅弁、ステンレスフレキ等の異種金属と接続する 場合は、異種金属接触腐食防止用の絶縁継手は不必要である(溶存酸素が少なけ れば問題ない)⇒空調での話 また、実際の異種金属接触腐食による腐食速度は、腐食電位列だけでは決まらず 他の要因にも大きく響されます。その要因として @二つの金属が接触する電解質溶液の電気伝導度 A二つの金属の面積比 貴金属面積≦卑金属面積(安価) これが無意識に行っている施工方法です。 電食は電池作用によるものであるから、電気伝導度の高い方が激しい。 炭素鋼とステンレス鋼の場合、樹脂などの非金属材料で完全に絶縁処理を施す か、ステンレス側も塗装するなどの対策が必要となります。 隙間腐食(crevice corrosion) 溶存酸素を含む水中に置かれた金属に狭い間隙があると、隙間部分が選択的に 腐食する形態。隙間腐食は、銅やステンレス鋼等の酸化物皮膜不動態金属に特徴 的に生ずる腐食である。特にフランジ廻り。この場合には、専用ガスケットまた は、テフロン包みガスケット等を使用します。 一般事項 ステンレス鋼は炭素鋼に比べて熱膨張率が大きいから、厚肉管を溶接したときの 熱影響で鋭敏化したところに残留引張応力があると、その近くで応力腐食割れを 起こす。 ステンレス(SUS304,SUS316)鋼管や銅管は面心立方格子構造 ⇒応力による『粗大すべり』曲げ加工し易い 線膨張率α 鋼管 1.1×10^6/℃ 体心立方格子構造 ステンレス(SUS304) 1.7×10^6/℃ 銅管と同じく面心立方格子構造 原子の大きさほぼ同じ 銅管 1.7×10^6/℃ 線膨張率もほぼ等しい フェライト系ステンレス(SUS444)は体心立方格子構造 ⇒小さな『交差すべり』にとどまる 曲げ加工できない。現場での溶接も できない。(制約大) こんなサイトもあります。 熱管理Q&A 出典 月刊『省エネルギー』 http://www.eccj.or.jp/he_qa/heat/index.html |
お返事遅くなりすみません。 六馬身さんありがとうございました。 とてもわかり易く、参考になりました。 機器廻りを、同一金属でまとめるというのもいい手ですね! なるほどと思う事ばかりで・・・・。 もっと、頭を柔らかく使って対応していこうと思います。 これからも色々とご質問させて頂くと思いますが、よろしくお願い致します。 |
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