Page 529 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? Qちゃん団塊の空調屋 04/4/8(木) 11:44 ┣Re:蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? こてつ 04/4/12(月) 15:41 ┃ ┗Re:蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? Qちゃん団塊の空調屋 04/4/13(火) 12:30 ┃ ┣Re:蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? こてつ 04/4/16(金) 18:09 ┃ ┃ ┗Re:蒸気還水管の管材別の防食対策他ご回答... Qちゃん団塊の空調屋 04/4/16(金) 20:36 ┃ ┗Re:機種依存文字 こてつ 04/4/16(金) 18:18 ┗Re:蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? 聖書 04/4/21(水) 18:04 ┣Re:蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? こてつ 04/4/21(水) 19:20 ┗Re:蒸気還水管のSUS管での腐食トラブル... Qちゃん団塊の空調屋 04/4/22(木) 11:21 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 蒸気還水管のSUS管での腐食トラブルについて? ■名前 : Qちゃん団塊の空調屋 ■日付 : 04/4/8(木) 11:44 -------------------------------------------------------------------------
初めて建築設備フォーラムを見ました。 蒸気配管でSUS管を還水(凝縮水)に採用し腐食のトラブルを聞いたことがあります。事例または注意点を教えてください。 蒸気往管 200A〜80A 材質 SGP黒またはSTPG(sch20) 圧力 0.8Mpa以下 用途 暖房、給湯、加湿 蒸気ボイラ 小型貫流ボイラ(乾き度97%程度) 水処理 脱気処理、清缶剤、復水中和剤、蒸気系中和剤 施工方法 アーク溶接、エアー気密、耐圧テスト 蒸気還水管 100A〜40A 材質 SUS304TPDまたはSUS316LTPD 圧力 0.3Mpa以下 施工方法 TIG溶接、一部現場溶接(自動溶接予定)、水圧テスト 黒ガス管(往管)の鉄錆及び溶接部の微粉がいたずらした事例は特殊な例かも知れませんが、トラブルの経験があれば教えてください。 還水管を黒ガス(SGP、STPGsch40〜80)での施工は工場、地冷 で経験がありよく分ります。 以上よろしくお願いします。 |
この質問への回答を楽しみに見ていたのですが、なかなかレスがつかないので自分で書き込みます。 還水管のSUSの使用は 国交省 機械設備工事共通仕様書では平成13年版からのもので、まだ新しいため施工実績があまりないのだと思います。 私自身、還水管ではSUSを使ったことがなく、一般的な話で恐縮ですが、SUS管の腐食については粒界腐食、応力腐食割れ、孔食があります。 参考として http://www.daiwakg.co.jp/TECHSUS.htm http://homepage2.nifty.com/tomchem/kenkyu/repo/sus.html http://www.nickel-japan.com/What%20is%20SS.htm ちなみに「粒界腐食 ステンレス」で検索をかけると多数ヒットします。 粒界腐食、応力腐食割れについてはSUS304Lの使用が、孔食についてはSUS316の使用が有効なようです。 溶接の施工方法についてですが、国交省 機械設備工事監理指針に記載されているので、それをベースにされてはいかがでしょうか。 |
こてつさんへ レスありがとうござ生ます。 ステンレス配管を還水管に使用してトラブルは少ないのでしょうか? ホームページ参照させて頂きました。 私個人としては水処理がうまくいけば、黒ガス管でも問題がないと考えています。 耐食性の順位は @SGP(黒) ASTPG(黒)sch40〜80(肉厚により選定) BSUS304TPD(一般配管) CSUS316TPD(一般配管) DSUS304TPsch20(配管用) 還水管の温度も60℃なのでBで良いと思われるが、今までの設計積算で @官庁、病院の場合ーーーーBSUS304 A工場、研究所(24時間系)ーーーーDSUS304TPsch20 が設計事務所等仕様(スッペク)上多かった。 「客先よりSUS管の腐食による腐れ代は必要ではないと考えませんか?」 と問い合わせがあり、なぜ工場、研究所の還水管はSCH20が多いのかよくわかりません? ステンレス管のトラブルは @溶接の後処理が悪いーーーー酸化皮膜を破壊した。 A水処理がいたずらするーーーボイラ中和剤に硫酸系がある。 B塩素系がいたずらするーーー貫流ボイラで蒸気内に水分を運ぶ C酸洗いの中和不備と蒸気往管の錆がいたずらする。 こてつさんのコメントで耐食性を増すには 304L、316L、315(銅含)がそれぞれ対策されているのが解りました。 SCH20を使用が多いのは、単に施工的にねじを切るためか、黒ガス管と同じイメージで安全率(腐れ代)を見ているだけかもしれません。 どんなトラブルでもかまいません。ヒントになりますので連絡ください。 自分の経験が少ないので助かります。 以上 |
耐食性の順位ですが、溶接部が健全とすれば下記ではないでしょうか。 1.SUS304 TP-S-CまたはSUS304 TP-S-H(シームレス) 2.STPG-S-CまたはSTPG-S-H(シームレス):腐食代を適切に考慮 3.SUS316 TPD(電縫管) 4.SUS304 TP-A(電縫管) 5.SUS304 TPD(電縫管) 6.SGP黒、STPG-E-CまたはSTPG-E-H(電縫管):腐食代を適切に考慮 なお、S-C(冷間加工)とS-H(熱間加工)についてはS-Cのほうが残留応力が少ないので応力腐食を起しにくい管種です。 電縫管は溝状腐食をおこすため、液体の場合、いずれの管種においてもあまり信用していません。 私自身は蒸気/還水のステンレスの使用は施工の優劣により性能が大きく変わってしまうこともあり、STPG(シームレス)が現状では良いと思っています。 >「客先よりSUS管の腐食による腐れ代は必要ではないと考えませんか?」 >と問い合わせがあり、なぜ工場、研究所の還水管はSCH20が多いのかよくわかりません? >SCH20を使用が多いのは、単に施工的にねじを切るためか、黒ガス管と同じイメージで安全率(腐れ代)を見ているだけかもしれません。 SUS管の腐食代は一般的には0です。 ステンレス管の最小肉厚(施工上からの肉厚)は「配管サイジングハンドブック:工業調査会」に以下の記載があります。 溶接継手→Sch 5S(但し、古い本なので、SUS304 TPDの記載はない) ねじ継手→8〜32Aの場合Sch 20S、40〜50Aの場合Sch 10S、65A以上の場合Sch 5S となっていますが、別ツリーにもあるように蒸気/還水のステンレス管のねじ込みは原則不可です。 こう書いていくとSch 20Sを用いる理由が希薄です。 Sch 20Sが多い理由として考えられるのは、プラント関係の建物は高圧蒸気を用いることが多いのでそっちの基準を一律で設計基準としているのでは(?)と思います。 それに、薄肉管の溶接は監理が難しいということもあります。たしかにSch 20Sくらいのほうが安心感はあります。 >どんなトラブルでもかまいません。ヒントになりますので連絡ください。 酸洗液が濃すぎて孔状腐食をおこしたことがありました。酸洗液はメーカー取扱要領を厳守するようにして下さい。 最後に、返事が遅くなり申しわけありませんでした。(出張していました) PS:丸付き数字は機種依存文字のため訂正して再送信しました。ついうっかりしていました。 |
こてつさんへていねいなご回答ありがとうございます。 このアドバイスをもとに、シームレス管材の採用と施工方法を決定していきます。 施工が、決定しましたら結果を報告します。 尚、マル内数字等使用禁止の文字を使いましたので今後注意します。 インターネットはあまり慣れてないため迷惑をかけました。 |
こんなサイトがあります。参考にして下さい。 http://apex.wind.co.jp/tetsuro/izonmoji/ |
>初めて建築設備フォーラムを見ました。 > >蒸気配管でSUS管を還水(凝縮水)に採用し腐食のトラブルを聞いたことがあります。事例または注意点を教えてください。 > > 蒸気往管 200A〜80A > 材質 SGP黒またはSTPG(sch20) > 圧力 0.8Mpa以下 > 用途 暖房、給湯、加湿 > 蒸気ボイラ 小型貫流ボイラ(乾き度97%程度) > 水処理 脱気処理、清缶剤、復水中和剤、蒸気系中和剤 > 施工方法 アーク溶接、エアー気密、耐圧テスト > > 蒸気還水管 100A〜40A > 材質 SUS304TPDまたはSUS316LTPD > 圧力 0.3Mpa以下 > 施工方法 TIG溶接、一部現場溶接(自動溶接予定)、水圧テスト > > 黒ガス管(往管)の鉄錆及び溶接部の微粉がいたずらした事例は特殊な例かも知れませんが、トラブルの経験があれば教えてください。 > > 還水管を黒ガス(SGP、STPGsch40〜80)での施工は工場、地冷 >で経験がありよく分ります。 > > 以上よろしくお願いします。 私の今までの施工経験から言いますと、還水管はワンサイズ UP で施工し管の外側からの腐食(特に雨水)を防いで内側からの腐食による漏れは、継手(特にユニオン)からの漏水を省けば10年以上持っています、ただし管内の水を蒸気停止時に出来る限り残存させない注意が必要です。蒸気・還水管ともに通常のSGP黒ガス管で充分です。 とある市民病院ですが、大手の設計事務所で設計監理をされ完成後4〜5年で還水管から各所で漏水が発生しSch40(既設管同サイズ)にて改修されましたが、やはり5〜6年で同じ状態になったため、その後の設計ではステン官のSch40にされたそうです。 私の意見としてはここでどんな配管を使っても同じ事が起きます。国交省の標準図にもトラップ装置の前にダートポケットを設け排水が出来るようにしてありますが、近年のボイラーマンのほとんどは蒸気停止後又は送気前に排水の作業を実施しません。残存水が残ることにより、スチームハンマーが発生しその水滴が管のネジ部(エルボの一次側が特に多い)の下側とか、蒸気管であればエルボの中心部を削り漏れが起こります。またトラップ管理がされていないため、生蒸気が還水管に入り還水の流速を早め同じ事になります。 また還水は清管剤が混入しているため10年たった配管でも赤茶色に変色していますが冷却水管みたいに錆は発生していません。 還水管をワンサイズアップにする理由は、バケット式トラップにしろディスク式にしろ必ず蒸気が還水管に入ります、蒸気のスペースを取ることにより還水の流速を抑える目的なのです。 ステンのSchを使う予算があれば、電磁弁を用いて排水をきっちりやられた方がいいかと思います。付け加えますが、電縫管でも何ら問題ありませんしヒッテッィングを必ず使用して下さい。なぜなら高圧蒸気においても還水管の中は蒸気がありますので還水をヒッテッィングがリフトアップしてくれますし排水弁も設けた方がベターです。 今の時代蒸気管理をうまくやられているのは刑務所ぐらいだと思います。使用方法作業手順等など見学されたらよろしいかと思います。 |
> ステンのSchを使う予算があれば、電磁弁を用いて排水をきっちりやられた方がいいかと思います。付け加えますが、電縫管でも何ら問題ありませんしヒッテッィングを必ず使用して下さい。なぜなら高圧蒸気においても還水管の中は蒸気がありますので還水をヒッテッィングがリフトアップしてくれますし排水弁も設けた方がベターです。 リフトフィッテンィグは真空還水方式で、真空ポンプは低圧のみではないですか? 高圧の場合は、還水は高圧蒸気の背圧による排出のため、トラップ位置からボイラまでが高い場合は還水管内は温水状態となります。(ボイラが下のフロアにあってすべて自然流下なら問題ありませんが) 清缶剤による錆の抑制効果は正直詳しくありませんが、温水状態であることを考えれば電縫管はやはりお勧めできません。 |
聖書さん、こてつさんへ レスポンスありがとうございます。 非常に興味深いコメントがありましたのでまた書き込みました。 > とある市民病院ですが、大手の設計事務所で設計監理をされ完成後4〜5年で還水管から各所で漏水が発生しSch40(既設管同サイズ)にて改修されましたが、やはり5〜6年で同じ状態になったため、その後の設計ではステン官のSch40にされたそうです この問題は、私も経験があります。気持は大変よく分ります。水処理も行っているのになぜトラブルが発生するのかとその当時怒りがこみあげてきました? 原因として下記の要因が考えられます。 1.水処理がうまくいっていない。 2.試運転時にフラッシングをキチンとしていない。 3.溶接のレベルが悪い。 原水(給水)と還水の「全鉄」を管理させ、原水より還水側で全鉄が増えていればどこかで腐食が考えられます。 施工時の鉄錆びが、還水側に運ばれて炭酸ガスと酸素により電池(マクロセル) 等によりいたずらしていました。 発生の場所は、低圧蒸気往き側(加湿用0.5k/cm2)の自動弁バイパス側 でした。----バイパス側に凝縮水が溜まり排水されないで肉厚が減少していた。 還水側の発生の場所はご指摘のとおり空調機コイルトラップ側の流れにくい場所で温水がたまりがちでした。流れにくいところは時々蒸気ハンマーがあったり、灌水が冷たいので判定できます。----別の現場で外気処理空調機の蒸気コイルをパンクさせたこともあります。 この対策処理は、重力式の場所は排水できるようにバキュームブレーカー(真空破壊させるためエアーチャッキ弁を設けた)を付け還水が流れるようにした。又蒸気トラップの作動を確認し、流れの悪い箇所はプレッシャポンプ(蒸気圧利用で還水を押すシステム)を採用した(1箇所)。 結果的に「全鉄」のモニターする(増加しない)ことで還水管が黒管(SGP、STPG)の場合のトラブルは解決できました。 尚、ボイラーマンの名誉のために報告しますが、工場、地域冷暖房の蒸気が生産性に関連するセクションでは、もっと高レベルにきちんと管理されています。 ボイラーを貫流ボイラーに設計することは、時代の流れとしてボイラーの資格が不要のためトラブルが発生する機会が増えたと思います。(病院、ホテル等) どなたかボイラーメーカーさんか?水処理メーカーさんより適切なご回答を期待しています。(蒸気還水管にSUS管を採用しての注意点は?) 以上よろしくお願いします。 |
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