Page 1325 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼君は建築基準法を読んだのか(その1)(法適合性への不安) おびえる設計者 08/2/26(火) 9:32 ┣Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) hatomori 08/2/26(火) 10:43 ┣Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) 裕次郎 08/2/27(水) 0:01 ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) おびえる設計者 08/2/27(水) 10:03 ┣Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) hatomori 08/2/27(水) 11:41 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) おびえる設計者 08/2/28(木) 9:41 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) hatomori 08/2/28(木) 11:32 ┣Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) まくん 08/2/27(水) 12:41 ┣Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) masa 08/2/28(木) 1:49 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) おびえる設計者 08/2/28(木) 10:25 ┃ ┣Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) けろ 08/2/28(木) 12:38 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) masa 08/2/28(木) 22:42 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) おびえる設計者 08/2/29(金) 0:40 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) masa 08/2/29(金) 1:52 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) OB古狸 08/3/5(水) 0:19 ┃ ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) masa 08/3/6(木) 2:37 ┗Re:君は建築基準法を読んだのか(その1) 裕次郎 08/2/28(木) 2:01 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 君は建築基準法を読んだのか(その1)(法適合性への不安) ■名前 : おびえる設計者 ■日付 : 08/2/26(火) 9:32 -------------------------------------------------------------------------
建築設備設計の新しい資格者について色々議論されていますが、肝心の建築基準法(以下関係する法体系全てを含んで建基法とします)の内容についての議論がされていないのはどうしたことなのでしょうか。 皆さんは建基法を読んでおられるのでしょうか? 罰則云々の発言も見られますが、そもそも建基法に適合した設計は出来ますか? 問題は、現状でも内容的に「法不適合」である設備設計が多数見られることです。勿論金をかければ完全に出来るものもあります、しかし規定があいまいで金をかけても完全なものになりそうも無い項目もあります。クレームの対象になった場合は、建基法不適合で負けることは確かでしょう。 ということで教えて下さい。 1.現在「法不適合」になっている項目(いろいろあるので具体的には述べません)については、現時点では建基法違反なのでしょうか? 構造ほど大した問題ではないのでお目こぼしされているのでしょうか? 又、今後は、厳しく審査され「法適合」となるように設計しなければならないのでしょうか? 今回の改正で、書類上は煩雑にはなっていますが、実際には設計内容が「法適合」になりそうも無い項目があります。 2.「法適合」とするためにコストアップとなり、発注者の了解を得られない場合はどうしたらよいのでしょうか。明らかな「法不適合」設計でも、設計者として押印しなければならないのでしょうか。 建基法をよく読むと、「法適合性」を問われた場合、建築設備設計上問題となる条項が沢山見つかりました。 今後夫々の条項について具体的な追加質問するつもりで、(その1)としました。建基法をよんで、問題点に気がついた方は(その2)、(その3)を追加質問して下さい。 |
>1.現在「法不適合」になっている項目(いろいろあるので具体的には述べません)については、現時点では建基法違反なのでしょうか? >建基法をよく読むと、「法適合性」を問われた場合、建築設備設計上問題となる条項が沢山見つかりました。 具体的に述べてくれないと、どのような事項か全然わかりません。 |
民間の確認申請検査機関に確認申請の図面・書類を出すと、A4のチェックリストが、いつものように送られてきます。 内容に関しては。**条**項に適合させて下さい。とだけ書いてあって、具体的にどこをどうすればいいのかは全く書かれていない。 結局どこがおかしいのかわからずに、そのチェックリストを出してきた担当者に直接電話をして問い合わせても、基準法に書いてありますので、適合するようにして下さい。と言うばかり。「どこがおかしいか聞いているんだけど!」と言っても、風に柳で、同じ事の繰り返し。チェックリストに「適合させる」とチェックを書き込んで出したら、結局通ってしまいました。 役所だと、窓口で図面を広げて。「こことここをこういう風に直して下さい」と言われ、図面訂正しておしまいなのに。 民間は、何かミスが有れば、会社にとっても不利益になるし、自分の査定にも影響してくる様子が見え見えで困ってしまいます。 建築事務所には「役所に確認申請出してくれ!」と強くお願いしている今日この頃です。 民間の担当者は、「職務怠慢」としか見えなくもないんだけど・・・・ |
やはり具体的に書くべきでしたね。 とりあえずは、施工令第129条の2の6-2に規定されている 相対湿度40~70%の件です。 云うまでも無く内部発熱のため、事務所ビルや店舗ビルでは 冬期の室温が20℃以上になります。 加湿器の性能を20℃、40%で選定すると、 室温が上昇した場合に湿度は40%以下になります。 東京都の実態調査ではビルの70%程度が、 冬期の湿度条件を満足していないそうです。 厳密に判断すれば建基法不適合となるのではないでしょうか? これをどう判断するかです。 どのように使われるか分らない以上、加湿器の設計条件は25℃、40%程度にしたいところです。 (法的数値を完全に満たすためには28℃、40%で無きゃ駄目でしょうが) 勿論空調方式も再検討の必要があるでしょうね。 コストアップにもなります。 既に設計条件を変えて設計されている方には、今更何を言っているんだということでしょうが・・・。 裕次郎さんのおっしゃるチェックリストにも、エアフィルターや給気機に関するものは求められていますが、加湿計算書・加湿器図面の添付は求められていないようです。 (尤も、上記のように設計条件までさかのぼらなければ適合性を判定できませんから、審査機関には無理な話でしょうが・・・) ということは、今までどおりでもいい、ということでしょうか。 但し、ビルのテナントから指摘されれば不適合は分るし、 建築主からは法的に不適合な設備設計を行ったといわれるのは確かでしょう。 裕次郎さんは「適合させる」と記入して確認申請を通したそうですが、 性能に関する諸々の規定については本当に適合できますか? だから「怯えている」のです。 hatomoriさんへ。建基法は完全ではありません。 これを100%満足させることは不可能に近いと思います。 上記外にも問題点は沢山あります。 僕が「建基法を読んだのか」と書いたのはこのことなのです。 「法適合性」の面からもう一度読み直してください。 実は、具体例を挙げなかったのは、 皆さんから色々な反応が窺えるかとk期待してのことでした。 何を心配しているのか理解されていないようです。 僕の心配しすぎなのでしょうか? |
懸念されている内容(一部でしょうが)は解りました。 湿度だけでなく、塵埃、CO、CO2、気流も心配なのではありませんか? この条件は絶対値ではなく、おおむねこの範囲にすることだと思います。 室内条件、外気条件が変われば、はずれる時間帯がでてくる可能性は大です。 範囲内にはいらないから、建基法に違反しているとは言えないと思います。 が、中央式の場合、あるいはビル管法が適用される建築物に加湿が全然考慮 されていない設計の場合は、指摘されるでしょう。 建築主からのクレームは、又別問題です。 |
回答有難うございます。 >湿度だけでなく、塵埃、CO、CO2、気流も心配なのではありませんか? CO以外は全て心配です。だから、沢山あるといっているのです。 但し、塵埃については、正規の測定法と、簡便な測定法(光電管方式)との換算値が問題なので、正規な測定では概ねクリアーできます。又フィルターのグレードアップで対応できます。 CO2は一人当たりの外気量を多くすれば対応可能で、僕はこの基準が出来たときから25〜30m3/hで、設計しています。 ついでに言えば建築基準法の20m3/hで計算すると、基準を満足できないのは御承知と思います。これも問題です。 国交賞の「建築設備設計基準」では30m3/hとなっています。但し都内のCO2が多いところではもう少し多くすべきでしょう。 気流については、建築意匠設計者や内装設計者の意向に左右されがちです。 又、間仕切りを作られたら、ドラフトも発生します。 従って、使用条件の指定も必要となりますかね。 >この条件は絶対値ではなく、おおむねこの範囲にすることだと思います。 >室内条件、外気条件が変われば、はずれる時間帯がでてくる可能性は大です。 >範囲内にはいらないから、建基法に違反しているとは言えないと思います。 法文をよく読んでください。「・・・基準に適合するように・・・・・温度、湿度又は流量を調節して供給する事ができる性能を有し、・・・」とあります。 テナントが、建基法を読んで納得してくれるかです。 >が、中央式の場合、あるいはビル管法が適用される建築物に加湿が全然考慮 >されていない設計の場合は、指摘されるでしょう。 >建築主からのクレームは、又別問題です。 建築主(又は一級建築士)から設計委託を受けた以上、法適合設計をするのは当然でしょう。 今後は建築主に対し、小規模ビルでも「この設備設計グレードでは、『ビル管法』を満足出来ません」旨説明しておく必要があるかと思います。 |
おびえる設計者さんは、理解されておられますが、 初心者(失礼)の方も見られているので、注釈します。 建基令の20m3/人・HはM/(Ci−Co)=0.013/(1000-350)=20m3/人・H ビル管法の30m3/人・Hは0.02/(1000-350)=30m6/人・H M=CO2発生量 0.013は安静時 0.02は極軽作業時 1000は室内条件 350は外気のCO2濃度 (単位省略) 都会では外気のCO2濃度は500以下の地点は少ないと思います。 もし軽作業時の発生量0.03程度で計算しますと、必要換気量は 0.03/(1000-500)=60m3/人・H となります。 このように少し条件を変えるだけで、2〜3倍の差がでます。 故に法文には、おおむね・・・適合することになっているのではないですか。 建築主からのクレームの項は クレームがつくような設計はその時点で問題があるとの意ですから誤解なきよう。 |
条文がでてくるまで、なんのこっちゃ??と思っていましたが、あぁという思いで読ませていただきました。 >とりあえずは、施工令第129条の2の6-2に規定されている >相対湿度40~70%の件です。 まず、法文では「おおむね」と明記されています。 基準法では、設置基準のみで、運用時に仮にならなかったとしても法不適合にはなりません。 ただ、ビル管法の運用基準を満たせない場合は、客からクレームがきます。でも、基準法の不適合にはなりません。 なぜなら、設計条件は規定されていないからです。 設計条件は、設計者判断ということになると思いますが、おおむねにもまったく届かない程度の加湿能力であれば、法不適合が問われた場合、どうなるか、わからないですね。 >冬期の湿度条件を満足していないそうです。 >厳密に判断すれば建基法不適合となるのではないでしょうか? >これをどう判断するかです。 設置(基準法)と運用(ビル管法)は別です。 まじめに加湿すると結露がひどいので止める。もしくはランニングコストをけちって止めるという事例は多いと思います。 というか、基準法では中央管理方式の空調設備に限っているので、その統計資料はたぶん対象が違わないでしょうか?中央管理方式の空調でビルマルなどは、対象外ですよね? >どのように使われるか分らない以上、加湿器の設計条件は25℃、40%程度にしたいところです。 私はガラスでの結露のクレームが怖いのでやりません。基準もおおむねですし。 >裕次郎さんのおっしゃるチェックリストにも、エアフィルターや給気機に関するものは求められていますが、加湿計算書・加湿器図面の添付は求められていないようです。 法律(規則)が確認を求めていないのでいいということでしょう。 あいまいな部分なので、確認できないということだと思いますが。 >但し、ビルのテナントから指摘されれば不適合は分るし、 >建築主からは法的に不適合な設備設計を行ったといわれるのは確かでしょう。 そもそも加湿は、法というよりも要求品質を満足するか、しないかの話でしょう。 確認申請を通っているということは、法的に適合しているということです。 まったく確認していないのは、確認すべき構造基準や計算方法が定められていないからです。 また、もう1点言うと施行令第129条の2の6-2の測定方法は、省令で定めるとありますが、省令はありません。 確認する方法がないので、基本的に法不適合を問うことはできません。 >上記外にも問題点は沢山あります。 他もぜひ知りたいですね。 この条文のあいまいさは、同意します。 |
室内空気質については、建築物衛生法の特定建築物に該当する場合は、特定行政庁及び建築確認審査機関から保健所長に通知され、設計者が保健所と設計に関する事前協議を行います。(フィルターの除塵性能、室内CO2濃度、加湿能力の計算書及び、選定機器の仕様書の提出を求められます) 建物竣工後は、2ヶ月毎の自主検査を行い、保健所より求められた場合は自主検査記録を提出します。 抜き打ちで、立ち入り検査される場合があり、事前協議内容と大幅に設置している機械が相違し、室内空気質が基準を大幅に満たしていない場合は、建築主に改善命令が出されます。 建築物衛生法の特定建築物に該当しない場合も、建築設備定期報告を求められる特殊建築物で、中央式空気調和設備が設置されている場合は、現在改正予定の省令により、室内空気質の測定が義務付けられる予定です。(現在は室内空気質の測定内容の提出は義務付けられていません) この場合も、特定行政庁が室内空気質が基準を大幅に満たしていないと判断した場合は、建築主に改善命令が出されます。 建築物衛生法に関しては、室内空気質を満たしていない事に対する罰則はありません。 建築基準法では、特殊建築物の中央式空気調和設備が室内空気質を満たす性能を持たない場合は、設備設計者(建築士法上の設計者:建築士)に罰則がかかりますが、「おおむね」がどの範囲かは、現実に訴訟がおこされていないので、判断基準は不明です。 施主からのクレームは、違法な設計と判断されれば、建築基準法・建築物衛生法共、指摘される可能性はあります。 |
夜遅く、大変御丁寧な解説ありがとうございました。 問題は「概ね」の範囲です。実態は数値的には大幅に下回っています。 又、運転時間の殆んどの時間帯で不適合です。 設計条件で対応不能の場合は、実情は「概ね」の範囲を超えるでしょう。 masaさんの御意見からすると今まで違法設計していたことになりますね。 この基準に適合するよう設計しなければいけない事がよく分りました。 又、基準を満たさない他人の設計に対しては、 安易に押印はできないということですね。 3つ質問があります。 1.寒冷地では、窓面結露で除湿、空調機で加湿という現象になります。 どうしましょうか。 条件を満たせるように、窓の断熱性能を上げなければいけないのでしょうか。 2.又24,5℃でも40%ということは、省エネルギーには反しますよね。 大型ビルは冬でも外気冷房が必要です。 外気を沢山入れて室内の湿度条件を満足させる。頭が痛いことです。 3.建築物衛生法と建築基準法とはどちらが上位の法律でしょうか? 制定の経緯からは、建築物衛生法が先で、建基法の上位法ともいえます。 その場合、上位の法律で罰則が無いのに、下位の法律で罰することは出来るのでしょうか? |
>1.寒冷地では、窓面結露で除湿、空調機で加湿という現象になります。 >どうしましょうか。 それで窓面結露が激しく、内装を汚損し、 賠償問題に発展することもあります。 患者に優しい病院にしようと、湿度40%確保を命題にしたものの 賠償責任を問われた設備設計事務所があったようです。 そういうリスクを下げるため、必要量加湿可能な設備は設置するものの 決してその通り加湿をせずに運用する、という何とも悲しい現実に 遭遇することがあります。 空調設備設計と共に、連動した断熱計画が必要なのですが、 えてして全部設備側の責任と捉えられがちです。 > 外気を沢山入れて室内の湿度条件を満足させる。頭が痛いことです。 寒冷地では、湿度条件を満足させていないところが多いと思います。 結露→汚損・水損 結露→凍結→破損 結露→滑って転倒・怪我 いずれも、賠償リスク等が高すぎますから、オーナー自身が 加湿強化を望まないものと思われます。 加湿強化を望まないものと思われます。 |
建築物衛生法と建築基準法について、どちらが上位という事は無いと思います。 両方の規定を満たす必要があるという事になります。 ただし、建築物衛生法と建築基準法では規定している内容が異なります。 建築物衛生法第四条「特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、政令で定める基準(以下「建築物環境衛生管理基準」という。)に従つて当該特定建築物の維持管理をしなければならない。 2 建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ、昆虫等の防除その他環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置について定めるものとする。 3 特定建築物以外の建築物で多数の者が使用し、又は利用するものの所有者、占有者その他の者で当該建築物の維持管理について権原を有するものは、建築物環境衛生管理基準に従つて当該建築物の維持管理をするように努めなければならない。」 建築基準法第二十八条「(略)2 居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。 3 別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。(以下略)」 建築基準法施行令第二十条の二「法第二十八条第二項 ただし書の政令で定める技術的基準及び同条第三項 (法第八十七条第三項 において準用する場合を含む。次条第一項において同じ。)の政令で定める特殊建築物(以下この条において「特殊建築物」という。)の居室に設ける換気設備の技術的基準は、次のとおりとする。 (中略) 一 換気設備の構造は、次のイからニまで(特殊建築物の居室に設ける換気設備にあつては、ロからニまで)のいずれかに適合するものであること。(中略) ハ 中央管理方式の空気調和設備にあつては、第百二十九条の二の六第三項の規定によるほか、衛生上有効な換気を確保することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる構造とすること。(以下略)」 建築基準法施行令第百二十九条の二の六第三項「建築物に設ける中央管理方式の空気調和設備は、前項に定める構造とするほか、国土交通大臣が居室における次の表の各項の上欄に掲げる事項がおおむね当該各項の下欄に掲げる基準に適合するように空気を浄化し、その温度、湿度又は流量を調節して供給することができる性能を有し、かつ、安全上、防火上及び衛生上支障がない構造として国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。(表及び以下略)」 法文から、建築物衛生法の場合は建築物衛生管理基準にそって、室内空気質を基準に適合するように、「調整及び維持管理」する事を義務付けています。 建築基準法の場合は政令で定めた室内空気質基準を維持できる性能を有し、かつ安全上、防火上及び衛生上支障のない構造方法を用いる中央管理式空気調和設備を設置する事を義務付けています。 したがって、建築基準法では、中央式空気調和設備の構造基準を規定していて、建築物衛生法では、その運用基準を規定しているわけです。 建築基準法では、室内空気質を維持できない設備を設計した設備設計者(建築士法上の設計者:建築士、以下同様)が、罰則対象者であり、建築物衛生法では、建築物の維持管理権限者が法遵守義務者です。 建築物衛生法では、空調・換気設備の構造基準は規定していなので、あくまで室内空気質を維持できない事が規制対象であり、建築基準法では、中央式空気調和設備そのものが規定されるわけです。 建築基準法の場合、完成検査済みの建築物の場合、当然ながら建築基準法及び関連法令に適合する事は確認・検査済みなので、中央管理式空気調和設備が設計図どおりに設置されている場合は、室内空気質は政令で定めた基準を満たすはずです。 もし満たさない場合は、「設計条件が間違っていた」、「設置されている設備の性能低下・故障」などが考えられるので、設備改良などで構造基準に適合させる事を特定行政庁は建築主に命令します。 特定行政庁及び、建築確認審査機関が、構造基準に適合していない事を見落としていた場合は、設備設計者の法令違反ですので、設備設計者に罰則が適用されます。 建築物衛生法の場合は、同様に「調整・維持管理」に問題があると判断して、改善方法の報告を維持管理権限者に命令します。 |
masa様 御丁寧な回答有難うございました。 心して建築基準法に適合するような設計を心がけます。 省エネルギーに反しようと、結露等の問題があろうと、ということですね。 建築主にも、一級建築士にも教育しておきましょう。 又、よろしく御教授下さい。 |
一番やっかいなのは、建築物衛生法で規制される特定建築物でなくても、建築基準法十二条三項の建築設備定期報告を義務付けられる建物が存在する事です。 現在改正予定の建築設備定期報告に関する省令では、中央管理式空気調和設備の送風量(外気導入量も含む)及び室内空気質が点検項目に追加される予定です。 中央式空気調和設備の送風量については、設計風量と合致しているかを測定して、適合・要改善を判断すればいいのですが、室内空気質に関しては、政令で規定されている基準を満たしていない場合は、すべて要改善と判断するように改正案では規定されています。(パブリックコメントでの省令改正案ですので、実際の改正省令は異なる可能性もあります) この場合、建築設備定期報告検査員は、政令基準を満たさない場合は、すべて要改善で報告せざるを得ません。 特定行政庁が室内空気質に関して、建築主に改善命令をだすかは、わかりませんが、普通に考えれば、既存不適格(建物完成時には適法で、現行法規と合わない場合)以外はすべて改善命令を出されても文句は言えません。 この場合は、機械不良・運転調整不良以外は、建築主は設計者に問い合わせる可能性があります。 建築基準法では、「概ね」と規定されているものが、定期報告の判断基準では、厳密に適合・要改善を判断しなければならないとなると、非常に問題となると思われますが、どこまで議論されているかが不明です。 ここら辺も、いままでの建築基準法改正と同様混乱の原因とならなければ良いのですが。(同様に省エネルギー措置に関する計画書の提出義務のある特定建築物も500u以上と厳格化する案も提出されています) なんか、無理にいろいろ改正して大混乱を起こそうとしているのではと、かんぐってしまいます。 |
大変なことになりそうですね。 建築物衛生法(旧ビル管法)が、設備の実態を無視した法律であることは公布以来分っていたことです。 だから、お役所でもあまり厳しいことは言わなかったのです。 しかし法律がある以上masaさんのおっしゃるとおり、きちんとした適合性が求められるようになるのは当然でしょう。 ただ、設備技術者としては、その前に内容の見直しをしてほしかったですね。 冬場の湿度については相対湿度でなく、絶対湿度で基準設定してもらえば、不適合は減少するでしょう。 塵埃量については、この規定に適合しない原因が喫煙にあるのは周知のところです。 喫煙を禁止しないで、出てきた煙で室内環境基準に適合しないといって、改善が求められ、設計者が法不適合ということでお縄になる。 漫画ですね。 法律を決める方々が現場のことを知らな過ぎるのが問題ですね。 |
現在、禁煙ビルが増えている実態(健康増進法による行政指導)から、室内塵埃量については、規制強化の方向で厚生労働省は動いているようです。 室内許容CO2濃度については、省エネルギーの観点から、規制緩和はやむを得ないとの見解がでているようです。(少なくても、1,500ppmまでは緩和の可能性はあります) |
(^_^)3 フムフム。 やっぱり勉強になりますねー。 確認審査機関でも、ここまでわかって審査をしている人ってどれだけいるんでしょうね。 今設計中の庁舎ビルも、加湿をしっかり付けてます。 温度設定は・・・・? 冬季20℃なんて条件で設計していないけど、大丈夫なのか、ちょっと心配です。 最近の異常気象に対応する建物にするには、ゆるめの条件で設計をしないと怖いものがあります。 ありゃりゃ、いつのまにやら脱線しそうになってます (^_^;) 失礼しました。 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━