Page 3542 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 lisa 19/4/20(土) 4:27 ┗Re:熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 masa 19/4/20(土) 11:18 ┗Re:熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 lisa 19/4/20(土) 12:34 ┗Re:熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 masa 19/4/20(土) 14:12 ┗Re:熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 lisa 19/5/7(火) 0:23 ┗Re:熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 masa 19/5/8(水) 23:27 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 熱負荷に基づく、適切な熱源、ポンプ、FCUの選定方法 ■名前 : lisa ■日付 : 19/4/20(土) 4:27 -------------------------------------------------------------------------
一般住宅の建築主です。 室外に設置されたヒートポンプ・チラーで生成される冷温水を密閉式の冷温水配管を通じて、各部屋天井裏にあるFCUへ循環させ、各部屋の冷暖房を行う空調システムです。 実施設計図の機器一覧に以下のような機器構成と機器能力の記載があります。 1.ヒートポンプ・チラーの能力(三菱電機製VEH-712HCU-M3) 冷房能力7.0KW 冷水水量20.0 ℓ/min 損失水頭15.00kPa 2.FCUの水量及び顕熱量/全熱量 部屋 FCU機種 冷温水量 居間 FWMF4CR 10.7L/min(冷水7.0→12℃)(顕熱量3.0KW/全熱3.7KW) 食堂 FWMF3CR 7.4L/min(冷水7.0→12℃)(顕熱量2.10KW/全熱2.5KW) 和室 FWMU3A 7.4L/min(冷水7.0→12℃)(顕熱量2.10KW/全熱2.5KW) 個室 1FWMF3CR 7.4L/min(冷水7.0→12℃)(顕熱量2.10KW/全熱2.5KW) 個室2 FWMF3CR 7.4L/min(冷水7.0→12℃)(顕熱量2.10KW/全熱2.5KW) 個室3 FWMF2CR 7.4/min(冷水7.0→12℃)(顕熱量1.50KW/全熱1.9KW) 合計 45.9L/min (顕熱量12.9KW/全熱15.6KW) 3.24時間換気調湿機器(ダイキン工業製DESICA HDMP25C) 除湿冷房能力 全熱能力2.8KW/顕熱能力0.4KW 4.建物の最大全熱負荷 居間・食堂:3.3KW 和室:1.1KW 個室1:1.0KW 個室2:0.9KW 個室3:1.0KW 外気負荷:1.8KW 合計:9.1KW 5.冷温水配管損失水頭 68.33kPa 質問(その1)建物全体の熱負荷とヒートポンプ・チラーの能力 建物全体の熱負荷9.1KWから上記3.のDESICAの全熱能力2.8KWを差し引いて、6.3KWがヒートポンプ・チラーに求められる冷房能力と記載があるのですが、正しくは顕熱能力0.4KWを差し引いた8.7KWがヒートポンプ・チラーに求められる冷房能力と考えて良いのでしょうか? これが正しいなら、建物全体でヒートポンプ・チラーの冷房能力は、熱負荷を下回っており、ヒートポンプ・チラーの能力不足と言ってよいのでしょうか? すなわち、ヒートポンプ・チラーの能力は、そもそも建物の熱負荷を下回っているなら、ヒートポンプ・チラーの機器選定が誤っているわけでしょうか。 質問(その2)FCUとヒートポンプ・チラーの能力(冷水量/熱量) (1)設置FCU合計の冷水量は45.9 ℓ/minあるのに対して、ヒートポンプ・チラーの能力は20.0 ℓ/minしかありません。各FCUへ流れる水量の記載もありません。 また、ヒートポンプ・チラーの損失水頭は15.00kPaですが、冷温水配管の損失水頭は68.33kPaあります。 (2)設置FCU合計の全熱量合計は15.6KWに対して、ヒートポンプ・チラーの能力は7.0KWしかありません。 各部屋の熱負荷に対して、ヒートポンプの能力(冷水量/熱量/損失水頭)や各部屋のFCUの能力(冷水量/熱量)からして、適切な室温調整が各部屋で行われるか、否かは、何を以って判断すれば良いのでしょうか? 素人ゆえに的外れな質問であれば、ご容赦ください。 |
熱源能力の算定は、熱源系統の同時最大全熱負荷に一定の余裕率を乗じて求めます。 なお、熱源としては、冷温水チラー及び潜熱回収システム(DESICA)となります。 最大全熱負荷=9.1kWとすれば、余裕率1.1として、熱源全体の能力としては、9.1×1.1=10.01kW必要となります。 冷温水チラー能力=7.1kW、DESICA能力=2.8KW、合計=7.1+2.8=9.9kW<10.01KWです。(若干少ないですが、許容範囲でしょう) 冷温水ポンプ揚程に関しては、冷温水チラーの水配管系統の最大圧力損失以上の揚程が必要です。 最大圧力損失は、配管最大圧力損失+冷温水チラー水損失+FCU水損失となります。 なお、冷温水チラーは冷温水ポンプ内蔵なので、冷温水チラー水損失を除いた、機外揚程は、メーカー仕様書からは、20L/minの場合は、40kPaとなっています。 配管圧力損失が68.33kPaならば、能力不足です。(これは最大経路の配管圧力損失でしょうか?) なお、同時最大負荷の冷温水チラー負担割合は、7.1/(7.1+2.8)≒0.71で、同時最大負荷の負担分=9.1×0.71=6.461kWとなります。 返り温度差=5℃、水の比熱=4.147kJ/Lとすると、必要冷水量=6.461×60/(4.147×5)≒18.7L/minとなります。 FCUの温度調節は、制御弁を使用する方法と送風量で調節する方法があります。 FCUのコントローラーや、仕様書で確認する必要があります。 計算書としては、必要冷房能力、冷水配管の必要揚程、各室FCU能力の確認がなされているはずです。 これらが、適切に計算され、必要能力を満たした機器が選定されていれば、計算書としては、成り立つ事になります。 あとは、余裕率などをどの程度見込むかと言う事になります。 |
早速の詳細なご説明有難うございます。 全熱負荷9.1kW×余裕率1.1=熱源全体の能力10.01kW必要で、 それに対する熱源能力として 冷温水チラー能力7.1kW+DESICA能力2.8KW=9.9kW とのご説明有難うございます。 これまでの当方の理解は、DESICAの全熱能力2.8KWの内、顕熱能力0.4KW以外の潜熱能力2.4KWは除湿の為に使用して、純粋な温度変化に使用されているエネルギーは、顕熱能力0.4KWだけかというものでした。 熱負荷計算が全熱で計算しているので、必要とされる熱源能力も全熱で比較すべきと考えればよいのでしょうか? 大変恐縮ですが、この辺りを再度、平易にご説明いただけると大変有難いです。 |
負荷計算書がどのように作成されているかわかりませんが、通常は顕熱負荷、潜熱負荷が記載されているはずです。 潜熱負荷は、通常は換気風量やすきま風などの外気量を室内設計条件にするための、除湿・加湿負荷、室内での発生潜熱(通常は人体からの発汗などです)を合算したものとなります。 熱源負荷としては、顕熱負荷と潜熱負荷の合算となります。 質問のシステムでは、DESICA(潜熱回収・放熱システム)で、ほとんどの潜熱負荷を処理する考えだと思われます。(少なくとも、外気負荷は、こちらで処理すると考えて良いでしょう) 地域がどこかわかりませんが、関東地方と考えて、外気条件を仮に、33.5℃DB、27.2℃WB、61.8%RH、比エンタルピー85.7kJ/kgDA、室内条件27.0℃DB、19.5℃WB、50%RH、比エンタルピー55.6kJ/kgDAとすると、換気量を定格の250m3/hと考えれば、外気負荷=250m3/h×1.2kg/m3×(85.7−55.6)kJ/kg/3600s≒2.51kWとなります。 外気量は不明ですが、計算書では、外気負荷=1.8kWと記載されています。 DESICAの全熱処理能力=2.8kW>2.51kWとなり、能力は足りていると言う事になります。 上記の考えの場合は、FCUで処理されるのは、室内発生潜熱+顕熱負荷となります。 こちらは、室内最大負荷となります。 同時最大負荷から、外気負荷を除いた、9.1−1.8=7.3kWとなります。 DESICAの最大能力を余裕率で除して、2.8/1.1≒2.54kWと考えれば、必要な外気負荷に対して、2.54−1.8=0.74kWの余裕があるので、こちらで室内の潜熱負荷を処理できると考えれば、7.3−0.74=6.56kWがFCUで処理する能力と考える事も出来るでしょう。 |
ご丁寧なご説明有難うございます。 当方のミスで熱交換ユニットの機種名が間違っていました。 正しくは、VEH−712HCB−M2でした。(設計図と実際が異なっていました) メーカー仕様書では、許容循環水量25L/minの場合は、35 kPa程度のようです。 最大経路の配管圧力損失が68.33kPaの場合は、能力不足とのことですが、能力不足の場合には、最大経路には、循環水が十分に行き渡らず、建物全体で熱源能力が足りていても、最大経路にある部屋の室温調整がうまく機能しないという理解で良いのでしょうか? また、設計時に、熱源機のポンプ能力が配管抵抗を超えているか、否かを判断する際は、ポンプの許容最大循環水量における機外揚程と最大系列の配管抵抗を比べるのでしょうか? 初歩的な質問で誠に申し訳ありません。 |
一般的には、ポンプ揚程が必要能力を見たしていない場合は、末端で必要な流量が出ないと言う事になります。 ポンプ揚程に関しては、設計者に確認した方が良いでしょう。 ポンプ揚程は、最大負荷時に、末端機器での必要流量を満たせる必要があります。 あくまで、必要流量なので、機器の定格流量では無いので、注意してください。 |
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