Page 176 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼一級建築士試験製図課題の設備計画について tom 09/8/11(火) 8:43 ┗Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について 裕次郎 09/8/11(火) 12:46 ┗Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について tom 09/8/11(火) 15:19 ┗Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について masa 09/8/11(火) 22:32 ┣Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について masa 09/8/12(水) 1:40 ┣Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について tom 09/8/12(水) 8:40 ┗Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について おいおい 09/8/12(水) 17:32 ┗Re:一級建築士試験製図課題の設備計画について masa 09/8/12(水) 22:02 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 一級建築士試験製図課題の設備計画について ■名前 : tom ■日付 : 09/8/11(火) 8:43 -------------------------------------------------------------------------
今年の一級建築士試験の製図課題は設備計画が 重視されるようですが、どのように勉強すれば いいでしょうか?今年の課題は一階に展示スペ ースがある事務所です。空調、給排水、防災設 備、電気設備について詳しい方がいらっしゃい ましたら、ご教示ください。 |
「デザイナーのための建築設備チェックリスト」という書籍が参考になると思います。 空調・給水は方式によって機械室が必要になります。 防災設備は、消火栓ポンプ室、消火栓(25m)。面積によっては防災センター。 電気室はキュービクルでも大丈夫だとは思いますが… もちろん、この場合屋上等にそれなりのスペースは必要になります。 EPSもいるのかな? |
裕次郎さん ありがとうございます、一度その本を探してみます。 EPSも図面に記入する必要があります! |
tomさん、今回の設計製図の試験で追加された、建築設備に関する事項は、以下のとおりです。 要求図書 ・設備機器等の位置、設備シャフト等の位置 ・設備計画(空調設備、給排水衛生設備、防災設備、電気設備、環境負荷低減等) 今回図面に記載するのは、DS・PS・EPS及び、各階ユニット方式の場合は、空調機械室です。(熱源機械室・受水槽室・排水ポンプ室・受変電室は、地階に配置するので、図面に表現するとしたら、断面図だけです) 基準階床面積は、1000u前後が想定されるので、DSは、各階ユニット方式の場合は、排煙ダクトだけなので、2m×2m=4u、PSは便所で1.2m×0.6m=0.72u、給湯室で0.8m×0.8m=0.64u、EPSは1m×3m=3uで計画していいと思います。 地階に配置する設備諸室は、面積表に記載するだけです。(設備諸室の面積は、統計資料に延床面積毎に、面積及び比率が記載されています) 設備計画は、以下の事項に留意して、150文字以内で内容をまとめる必要があります。 ・空調設備 空調器及び外気処理機→省エネルギー事項として、外気冷房・外気のCO2制御により中間期の熱源停止及び夏季の外気負荷の低減を考慮する。 全熱交換器を採用して夏季・冬季の外気負荷を低減する。 空調熱源→蓄熱運転によりピークシフトを考慮する。 タスクアンビエントを考慮して、ペリメーター負荷は、ファンコイル又はマルチパッケージ方式として、個別停止を考慮する。 ・給排水衛生設備 給水方式→上水給水方式は、受水槽方式(タンクレスブースター方式)又は直結増圧給水方式のどちらかですが、断水時に給水できるのは受水槽方式だけです。(建物に対する要求レベルで選定する必要があります) 雑用水は、雑用水槽を設置して、雨水再利用を考慮する必要があります。 排水方式→地上階は重力排水方式とし、地階は排水ポンプ圧送方式とする。 雨水再利用及び雨水抑制の為に敷地面積当たり60〜120mmを貯水できる雨水槽を設置する。(敷地面積1500uの場合は、90m3〜180m3の雨水槽を計画する) 衛生器具設備→節水器具を採用する(大便器で6L〜8.5L排水できる器具を選定する) 給湯方式→個別給湯方式として、レオジネラ菌等の発生を抑制する。 ガス設備→基本的に事務所ビルの場合は、裸火の使用は防災上採用しない例が多いので、空調熱源が冷温水発生機・ガスヒートポンプエアコンの場合のみ必要。 その他、建築基準法の給排水衛生設備規定を記載する。 ・防災設備 消火設備→自動火災報知設備・非常警報設備(収容人員から非常放送となる可能性がある)、屋内消火栓・連結送水管・消火器を設置する。(1階レンタルスペースは、消防法上の有窓階なので、スプリンクラーの設置義務は無し、地階は700u未満とすれば連結散水設備は設置義務無し) 排煙設備→自然排煙を原則とするが、1階レンタルスペース及び、基準階で排煙窓の有効範囲外がある場合は、機械排煙も検討する。 建築物の高さが31mを超える場合は、非常用エレベーター及び中央管理室を計画する。 ・電気設備 受変電設備→受電は高圧受電とする。 非常電源は、非常用自家発電設備とする。 照明設備は、高効率器具の採用及び点滅回路の細分化によりタスクアンビエント照明方式とする。 非常照明は、電源内蔵・電源別置の2種類があるが、蓄電池の保守が容易なのは、電源別置である。 テナントの入れ替えが多い場合は、電源内蔵が有利である。(電源内蔵の場合は、電源別置のように常用電源・非常電源の2系統の配線が不要である) 電話設備等の弱電設備の計画までは、書ききれないと思いますので、割愛します。 ・環境負荷低減 自然エネルギーの利用→太陽光発電等 熱源機器及び変電設備・照明器具は高効率型とする。 屋上緑化・Low-Eガラスの採用等により、冷房負荷を低減する。 外気冷房により、中間期の熱源停止を行う。 蓄熱冷房又はナイトパージにより、熱源の運転時間を低減する。 中間期の自然換気の採用。 配管・配線材料は、環境負荷の少ないものを採用する。(給水・排水管等は、ステンレス鋼管・ポリエチレン管等の採用で長寿命化を考慮する) |
追記として、空冷ヒートポンプ方式を採用する場合は、各階4〜5系統の室外機を想定すると、空調配管用PSとしては、0.6u/階必要になるので、仮に10階建と想定すると、0.6×10=6u程度が必要になります。(平面配置計画により、2u×3箇所を分散する方法とする必要があると思います) 各階ユニットの空調器を使用する場合は、各階の空調面積を700u、空調送風量を30m3/u・hとした場合は、21,000m3/hの送風能力が必要になります。 空調器の大きさは、コイル面風速を2.5m/sとした場合は、2400W×4000Lとなるので、保守スペースを考慮して、空調機械室を5m×7m=35uとします。(統計値を利用して算出してもかまいません) 以上はあくまで、想定なので、何種類かのプランで柔軟に対応できるようにしておく必要があります。 |
masaさん とても詳しくご教示いただき本当にありがとうございます。 今回教えていただいたことを身につけ、設備のことも理解できる 建築士になれるようがんばっていきたいと思います。 本当にありがとうございました。 |
masaさんへ とても詳しいのですが、情報源はどのような場所でしょうか? 知人が受験しますが、そのまま薦めて良いのか不安です。 |
設計製図の試験の、課題で追加された事項は、以前の投稿でも記載しましたが、建築技術教育普及センターから発表されているものです。 以下のリンクを確認してください。 http://www.jaeic.or.jp/kkaisei_1k_seizu_minaosi.htm http://www.jaeic.or.jp/1k-seizu.htm それ以外の計画数値や、基準階の規模な・設備計画の要点などは、私の想定なので、特に情報源というものはありません。 裕次郎さんの紹介されている、「デザイナーのための建築設備チェックリスト」にも、これらの事項は記載されていると思います。 その他参考図書としては、以下のものが参考になるでしょう。 「建築設備計画基準 平成17年版」 「建築設備の環境保全設計マニュアル」 「建築技術 2009年 08月号」 入手できるとすれば、「設備設計一級建築士講習テキスト」、「環境からみた建築計画」、「建築にかかわる設備計画」、「空調・衛生設備計画」、「電気設備計画」、「オフィスビルの設備設計ガイド 」 内容はあまり濃くないですが、以下のものも初心者向けにはいいでしょう。 「世界で一番やさしい建築設備―110のキーワードで学ぶ (エクスナレッジムック 世界で一番やさしい建築シリーズ 7)」 |
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