Page 2602 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼熱伝導計算について 白茶 11/10/15(土) 23:49 ┣Re:熱伝導計算について BM 11/10/16(日) 21:09 ┣Re:熱伝導計算について masa 11/10/20(木) 13:23 ┃ ┗Re:熱伝導計算について kote 11/10/21(金) 9:06 ┗Re:熱伝導計算について mph 11/10/21(金) 8:54 ┗Re:熱伝導計算について u7 11/10/22(土) 9:50 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 熱伝導計算について ■名前 : 白茶 ■日付 : 11/10/15(土) 23:49 -------------------------------------------------------------------------
熱負荷計算のうち、壁での熱伝導計算について 教えていただきたいです。 壁での熱流出(入)量は [熱流出(入)量 (J/m^2)] = [熱伝導率(J/m・K)] x [内外温度差(K)] / [壁厚さ(m)] であることはわかります。 空気調和の教科書などでは、この式を用いて、 熱流出(入)量も計算しています。 (実際には、熱伝導率ではなく熱貫流率をつかうのでしょうが、 意味は同じなので、とりあえずこう記入します。) ここで質問なのですが、 熱容量の概念は上記熱伝導率に含まれているのでしょうか。 仮に床がとてつもなく熱容量がおおきい場合、 極端にいうと厚さが100mの大理石で、 かつ室温が30℃、大理石床の床下が-100℃としたとき、 ちょっとやそっとの加温では大理石をあたためるのに食われてしまうでしょうが、 この「大理石をあたためる」のに必要な熱は熱伝導の式で計算した熱流出量に 含まれているのでしょうか。 わかるかたにはごく当たり前な質問でしょうが、 よろしく御回答をお願いいたします。 |
ある物質があって、物質内部を熱が移動するときの 移動のしやすさ、しにくさの数値をその物質の熱伝導率という のではないでしょうか。 物質内で温度勾配が生じれば、計算式どおりの熱移動が 行われます。 熱容量の件ですが、物質内に温度差が生じるまでの間は、 物質内に熱は蓄えられますが、熱は高いところから低いところ に流れるので、温度勾配が定常になった時点で計算式どおりの 熱移動が行われます。 熱貫流率は、物質表面の熱伝達率も影響すると思いますけど。 (熱伝導はあくまで、物質内部のみの意味で) 高温側、冷温側の温度が断続的に変化をするとしたら どうなるか? どっかの研究室の方が、答えてくれるかもしれません。 |
書かれている計算式は、定常状態の熱移動の計算式です。 したがって、蓄熱や温度変動のある場合は、正しい熱移動量を求める事はできません。 熱負荷計算の場合は、定常計算では、外部の温度変化に対する応答が求められないので、近似的に壁の構造に応じて、定常時に相当する、相当外気温度を利用して負荷計算を行います。 なお、壁体の熱応答を詳細にシミュレーションして、厳密な熱負荷計算を行う事も可能ですが、あくまで外気条件は過去データからしか推定できないので、実務上は相当外気温度を用いて、定常計算して、得られた値に設計者が余裕率をかけて熱負荷を求める事がほとんです。 |
masaさんの回答への補足です。 空調便覧や茶本(国土交通省官房官庁営繕部設備・環境課監修 建築設備設計基準)には外壁、屋根を熱容量的にカテゴリーに分け(アラビア数字で分類されているハズ)、外壁、屋根に当たる日射による外表面の熱吸収量の変化、外気温の変化、 そして壁・屋根の熱容量も考慮して「実効温度差」という名前の表が出ています。 この「実効温度差」で本来は非定常の熱負荷計算を、あたかも定常計算のように扱えるようにしています。 なお、外気に接しない間仕切、床(天井)は定常計算で扱っていますので、熱容量は考慮されていません。外壁の窓も熱容量が小さいので、定常計算で扱っています。 注:アラビア数字 英文字のIやVやXで構成された文字。たしか機種依存文字なので使わないようにしました。 |
国立大学法人では構造体の熱容量と暖房通気時間に配慮した熱負荷計算を行うことにしています。昭和60年ころから始めました。 複雑な計算が必要なので、市販表計算ソフトを使って、マクロを組んだ計算ソフトを独自に開発して使っています。最近の実情は、北海道以外では定常計算と比較して大きなメリットが無い(らしい)こと、設計事務所さんの経験が多くない事ら、小規模な建物では定常計算で良しとしていることが多いようです。 熱容量を考慮すれば、断熱層が躯体の外側か内側かとか、構造の重さ(S造かRC か..)、通気時間と予熱時間の割合などで計算結果に少なからず差が出てきます。 |
北海道でも定常でもあまり差がないという報告書が空調学会の北海道支部から10年くらい前には出ています。 理由は、高断熱で外界からの影響が少ない、かつ全館暖房のため変動が少ないため、熱容量の影響がでない。 |
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