Page 2976 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼一次エネルギー消費量について りょう 14/10/28(火) 22:35 ┣Re:一次エネルギー消費量について masa 14/10/29(水) 3:19 ┃ ┣Re:一次エネルギー消費量について りょう 14/10/31(金) 0:41 ┃ ┗Re:一次エネルギー消費量について りょう 14/11/3(月) 21:42 ┃ ┗Re:一次エネルギー消費量について masa 14/11/4(火) 1:36 ┃ ┗Re:一次エネルギー消費量について りょう 14/11/7(金) 12:42 ┃ ┗Re:一次エネルギー消費量について masa 14/11/7(金) 23:58 ┃ ┗Re:一次エネルギー消費量について りょう 14/11/9(日) 21:51 ┗Re:一次エネルギー消費量について 105号室 14/11/7(金) 8:44 ┗Re:一次エネルギー消費量について りょう 14/11/7(金) 12:44 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 一次エネルギー消費量について ■名前 : りょう ■日付 : 14/10/28(火) 22:35 -------------------------------------------------------------------------
いつも勉強させていただいております。 最近、建物の省エネルギー化を評価する指標として 一次エネルギー消費量が用いられるようになりましたが、 以下の点、教えて頂きたくお願いします。 1)一次エネルギー消費量とはどのようなものなのでしょうか? 2)他の指標ではなく、どうして一次エネルギー消費量を用いて 建物の省エネルギー化を評価するのでしょうか? (一次エネルギー消費量を用いて評価するメリット等) 3)一次エネルギー換算値とはどのような意味なのでしょうか? 4)COP換算値とはどのような意味なのでしょうか? 宜しくお願いします。 |
1)一次エネルギー消費量とは、動力を得る為に必要なエネルギーを作り出す為のエネルギー消費量を意味します。 燃料(油・ガス等)の場合は、発熱量そのものが一次エネルギーになります。 電気の場合は、発電・送配電効率により、1kwhあたりの一次エネルギーを求める必要があります。 エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネ法)では、1kwhあたりの一次エネルギー消費量は、一般電力事業者(9電力会社)は昼間9970kJ/kwh、夜間9280kJ/kwh、その他の電力事業者は9760kJ/kwhとされています。 単純に電力をエネルギーに換算した場合は、3600kJ/kwhとなりますが、発電・送配電効率は、36%程度なので、この値となります。 2)エネルギーの使用の合理化に関する法律は、エネルギーを作り出す為の燃料(原油)の輸入量を減らすのが目的だからです。 その為に、エネルギー管理指定工場の場合は、一次エネルギー消費量を原油使用量に換算して報告します。 省エネルギーとは、動力その他のエネルギー消費機器が必要とする投入エネルギーを削減するのが目的ですから、電力などの変換されたエネルギーの場合は、一次エネルギーの消費量で評価しないと意味がありません。 3)一次エネルギー換算値とは、変換エネルギーを作り出す為の入力エネルギーを求める為の値です。 電力の場合は、上記のとおりです。 燃料の場合は、原単位(kgもしくはKL)あたりの発熱量になります。 4)COPの一次エネルギー換算値とは、冷凍機(ヒートポンプ)のCOP(成績系数)を使用するエネルギーの一次エネルギー換算値で計算した場合の値です。 使用するエネルギーが燃料(油・ガス)の場合は、そのままの値になります。(発熱量に関しては、法律で規定された値を使用した場合、メーカーの記載値と若干異なる場合もあります) 使用するエネルギーが電力の場合は、電力事業者によって、1)に記載した値で一次エネルギーに換算した入力でCOPを計算します。 たとえば、冷房能力28kwの電気ヒートポンプの消費電力が8kwの場合は、COP(一次エネルギー換算値)=28kw×3600s÷(8kwh×9970kJ/kwh)≒1.26となります。 動力ベースのCOP=28kwh÷8kw=3.5となり、値が違います。 ガスヒートポンプで、冷房能力28kw、ガスエンジンの定格出力6.2kw、ガス消費量が21.6kwの場合は、COP(一次エネルギー換算値)=28kw÷21.6kw≒1.3となります。 この場合は、ガスエンジンの定格出力が6.2kwなので、動力ベースのCOP=28kw÷6.2kw≒4.5となります。 |
丁寧にご説明を頂きまして有難うございます。 頂いたお返事の内容を自分なりに勉強しているのですが、 いくつか不明な点があり、それらを整理した段階で 一両日中に再度投稿(質問)をさせて頂きたいと思っております。 取り急ぎ、お礼のご連絡をさせて頂きました。 どうも有難うございます。 |
先だってはご回答いただき有難うございました。 頂いたお返事の内容で、下記の点教えて頂きたくお願いします。 ご回答の1)に記載のある 3600kJ/kwh と 4)に記載のある3600s とは全く別の値(たまたま3600だけ同じ)なのでしょうか? また、4)の 一次エネルギー換算値=28kw×3600s÷(8kwh×9970kJ/kwh)≒1.26 で、 28kw×3600sとは、28kwhのhを秒(60×60)に直したということでしょうか? また、 8kwh×9970kJ/kwhとは8kwhあたりの一次エネルギー消費量という意味でしょうか? もし、そうだとすると、単位で考えると、 (28kw×3600s)÷(一次エネルギー消費量) ということになりますが、 (28kw×3600s)÷(一次エネルギー消費量) がどうして一次エネルギー消費量の単位に なるのかが良く分かりません。 お手数ですが、教えて頂きたくお願い致します。 |
疑問に思われている点は、すべて仕事量と仕事率の単位換算に関する事ですね。 まず、3600kJ/kwhは、エネルギーの単位の表現を変えているだけです。 kwhは、1kwの仕事率を1時間継続するエネルギーです。 1kw=1kJ/sで、1kJの仕事を毎秒行う仕事率です。(w=J/sが定義です) したがって、1kwhを仕事量で表現するのに、kJを単位とするのならば、3600s(3600秒)をかければ良い事になります。 1kwh=1kwh×3600s/h=1kJ/s×3600s=3600kJとなります。 28kwの冷房能力のヒートポンプのCOPを計算するには、必要な消費エネルギーで冷房能力を割らなければいけません。 消費エネルギーの原単位は電力量(kwh)ですから、1時間当たりのエネルギーです。 1時間当たりの冷房量(冷却量)を求めるには、仕事率に経過時間をかければ良い事になります。 したがって、上記のとおり3600s(=1h)をかける事になります。 これが、28kw×3600sの意味です。 COPを1次エネルギーで評価する為には、消費エネルギーを一次エネルギーに直す必要があります。 電力1kwhの一次エネルギー消費量は9970kJです。 したがって、消費電力(kwh)に一次エネルギー換算率(9970kJ/Kwh)をかけて一次エネルギー消費量に直します。 このような計算によって、COP(一次エネルギー換算)=冷却量÷一次エネルギー消費量の値が求められます。 COP(成績系数)は、ヒートポンプが行う熱移動(冷却量もしくは加熱量)を投入するエネルギーで割って、その倍率を評価するものです。 COPを一次エネルギーで評価したものが、COPの一次エネルギー換算値です。 これは、割る値である投入エネルギーを一次エネルギー量にしたものです。 得られた値は、一次エネルギー消費量では無く、一次エネルギーの消費効率となります。 これは、電力という一次エネルギーそのものでは無いものを動力に必要なエネルギーとして利用している事から生じている事です。 実際問題、電力をどのように発電・送電するかで、この換算値は変わってきます。 たとえば、太陽光発電とか風力発電、その他の自然エネルギーから発電した電力を使用した場合は、どのように評価するのかという問題もあります。(自然エネルギーなので、一次エネルギー消費量=0と評価するか、寿命までの発電量を発電設備の製作費と運用費の一次エネルギー換算値で除して、一次エネルギー消費量を算出する方法が考えられます) |
masa 様、 非常に丁寧にご説明頂き有難うございます。 1kwh=(1kwh×3600s/h=1kJ/s×3600s)=3600kJとなることは、 理解できたのですが、 自分なりに勉強しているのですが、前々回頂いたご回答の中の、 >単純に電力をエネルギーに換算した場合は、 >3600kJ/kwhとなりますが、 >発電・送配電効率は、36%程度なので、この値となります。 の部分がとうしても良く分からくて・・・。済みません。 つまり、 1) 1時間あたりの仕事量だから仕事率×時間で3600KJとなるのか、 それとも、 2) 発電・送配電効率が36%だから9970(9280 or 9760)×36%で3600kJ/kwh なのかが良く分かりません。 1)は、1J/sの仕事率を1時間(3600s)継続したときの仕事量。 2)は、発電・送配電効率が36%だから。 つまり、1)と2)は全く別物のように思えてしまいます。 何度も申し訳ございません。 どうか教えて頂きたくお願い致します。 |
1)は、電力が持つエネルギーを意味していて、これが定義です。 2)は、そのようにして算出するものではありません。 あくまで、1kwhの電気を作るのに必要な一次エネルギーが9970kJだったと言う事です。 1)は定義から、1kwh=3600kJとなります。 2)は、電力事業者の発電・送配電効率により異なります。 便宜上、省エネルギー法では、9電力会社の昼間に関しては、1kwhの電力を作るのに必要な1次エネルギーは9970kJと定めました。 発電・送配電効率=得られる電力÷一次エネルギー=3600kJ÷9970kJ≒0.36→36%となります。 あくまで、1kwh=3600kJを基本として、発電・送配電効率から1次エネルギーがいくらかを求めています。(現実には、需要家の消費電力と電力事業者が投入した一次エネルギーから算出した値を補正して求めています) そのようにして求めた結果、電力1kwhを作るのに必要なエネルギーが9970kJだと言う事です。 本来は、一次エネルギー(石油・ガス等の燃料)を使用する場合も精製・搬送コスト等を加味して判断すべきですが、そこら辺は省略されています。 COP(一次エネルギー換算)に関しては、動力を得る為のエネルギーに関わらず、一次エネルギー消費量を基準に評価しようと言う値です。 電力に関しては、得られるエネルギーに対して、必要とする一次エネルギーが大きいので、換算する必要があると言う事です。 |
masa 様 早々にお返事を頂き有難うございます。 お陰様で、疑問が解決致しました。 度重なるご質問に関わらず、丁寧に分かりやすくご説明頂き 本当に有難うございました。 |
住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報 省エネルギー基準(平成25年1月公布)及び低炭素建築物の認定基準(平成24年12月公布)の告示に沿った計算方法(プログラム等) 独立行政法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所) これをご覧頂くといろいろ参考になるのではないかと。 |
105号室 様 お返事をいただき有難うございます。 早速、調べて読んでみようと思います。 どうも有難うございます。 |
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