Page 3635 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼防煙ダンパーの設置について モチモチ 20/2/8(土) 12:45 ┗Re:防煙ダンパーの設置について masa 20/2/9(日) 11:49 ┗Re:防煙ダンパーの設置について モチモチ 20/2/9(日) 22:05 ┗Re:防煙ダンパーの設置について masa 20/2/11(火) 1:02 ┗Re:防煙ダンパーの設置について モチモチ 20/2/11(火) 8:14 ┗Re:防煙ダンパーの設置について masa 20/2/13(木) 13:15 ┗Re:防煙ダンパーの設置について モチモチ 20/2/13(木) 22:27 ┗Re:防煙ダンパーの設置について masa 20/2/13(木) 23:46 ┗Re:防煙ダンパーの設置について モチモチ 20/2/14(金) 8:03 ┗Re:防煙ダンパーの設置について masa 20/2/14(金) 10:55 ┗Re:防煙ダンパーの設置について モチモチ 20/2/15(土) 3:38 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 防煙ダンパーの設置について ■名前 : モチモチ ■日付 : 20/2/8(土) 12:45 -------------------------------------------------------------------------
管理人様よりレスをいただいたため、再度投稿させていただきます。申し訳ありませんでした。 建築設備の監理業務について3年になります。 さっそくですが、防煙ダンパーを設置すべき場所をご教示下さい。 機能(火災時の煙がダクトを介して、火災場所から離れた場所へ回るのを防止する)から考えると下記の場所なのかな?と考えますが、正しい設置場所が知りたいです。また、設置場所が法令等で明記されているならば、その法令名および条文(第何条か)も知りたいです。 ○垂れ壁で無い防煙区画壁貫通部 ○防火区画壁貫通部 |
基本的には、竪穴区画、異種用途区画、層間区画(違う階との区画)、階段室(これは竪穴と同じ事になります、避難階段や直通階段の場合は、基本的にダクトの通過は禁止なので、特殊な場合だけです)に防煙ダンパー(SD)が必要になります。 単なる、防煙区画(同一階)、防火区画(同一階)の場合は、防煙ダンパーは不要です。(同一階で必要な場合は、異種用途区画の場合です) 建築基準法関連法令の場合は、防火設備の規定に記載されています。 基本的に防火ダンパーの場合は、仕様上は、自動的に特定防火設備(延焼のおそれのある外壁などの場合は、例外的に防火設備で良い場合があります)となりますが、特定防火設備で遮煙性能が要求される場合は、煙感知器連動の防火ダンパーとなり、それが防煙ダンパー(SD)と呼ばれます。 建築基準法施行令第112条、告示1369号、告示2565号が、設置基準、構造基準で、告示1376号が設置方法の規定となります。 防火戸もしくは、(特定)防火設備が風道に設置する(特定)防火設備としての防火ダンパーを意味すると考えてください。 |
masa 様 早速のご回答ありがとうございました。 大変わかり安い説明で、防煙ダンパーの設置場所について、理解すことができました。単なる排煙区画や防火区画には必要ないのですね。 ちなみに法律でそうなっているから・・、というので覚えていくのがあまり得意ではありません。理由もお教えいただければ幸いです。 基本的に防煙ダンパーを設置する意図としては、火災場所で発生した煙が他の階等に回らないようにするためと理解しています。 例えば防煙ダンパーを仮に設置していない竪穴区画を想像して見たのですが、給気であればファンが回っている限りダクトを通じて他階いくことはなさそうですし、排気であれば、ファンが回っている限り煙はファンの方に集まっていくので、他階には回らなさそうです。ではなぜ竪穴区画等には防煙ダンパーが必要なのでしょうか? |
竪穴区画が存在する耐火建築物の場合は、建物の安全性として、火災発生時に避難階まで、各階の人員が安全に避難できる必要があります。 その為に、直通階段などの、防火上支障の無い構造の避難経路が要求されます。 また、階をまたいでの、火災の伝搬を防止する為に、層間防火区画、同一階では、一定の面積ごとに、防火区画を形成して、避難経路を確保し、建物内の火災伝搬が生じないように設計する事になります。 竪穴区画は、階をまたいだ防火区画なので、竪穴区画内に火災が伝搬した場合は、容易に階をまたいで火災が伝搬してしまいます。 したがって、竪穴区画に入る開口部、ダクトなどは、火災の伝搬防止の為に、防火ダンパー・防火戸などの防火設備、煙の伝搬防止の為の遮煙性能を有した防煙ダンパー、防火戸(遮煙性能有り)などの特定防火設備を設置する必要があります。(階段室なども同様です) 異種用途区画については、建築物内に複数の用途が含まれる場合は、別表で示される範囲(階、面積等の条件)に該当する場合に、用途ごとに異種用途区画を形成する必要があると言う事です。 これは、別表で示される特殊建築物用途に関しては、人員の避難の容易さ、出火の危険性などが、用途ごとに異なるので、異種用途区画の防火区画に関しては、より高度な水準が要求される事を意味します。 その為に、同一階であっても、異種用途相互間では、遮煙性能が防火区画として、要求される事になります。 したがって、異種用途区画では、防煙性能をもった間仕切壁で区画できない場合は、煙感知器連動の防火戸、防煙ダンパーなどで、発煙時に、間仕切壁と同等の遮煙性能を得られるようにします。 |
masa様 ご返答ありがとうございます。 ご返答から今一度整理したいのですが、竪穴区画、異種用途区画、層間区画には煙の伝搬防止の為に、防煙ダンパーが必要ということだったと思います。また、炎の伝搬防止の為に防火ダンパーが同箇所に必要ということだと思います。その両方を満たす性能を持ったダンパーが防火防煙ダンパー(SFD)であると思います。 世の中に単なる防煙ダンパー(SD)も存在していると思いますが、防火ダンパーは必要なく、防煙ダンパー(SD)のみ設置することはあるのでしょうか?上記のことから、区画貫通部にしか防煙ダンパーを設置することがないのであれば、単なる防煙ダンパー(SD)は必要ない気がします。 細かい質問で申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。 |
誤解があるようですが、FD、SDは、両方共、防火ダンパーです。 FDが熱感知器(もしくは、温度ヒューズ)で動作する防火ダンパー、SDが煙感知器で動作する防火ダンパーです。 便宜上、FDを防火ダンパー、SDを防煙ダンパーと呼んでいますが、両方共防火設備で、動作方法が違うだけです。 したがって、法的には、FD、SDを対応区画に応じて使い分ける事になります。 SDは、SFDでもかまわないんですが、特殊な場合以外は、SDのみで機能は果たします。 SFDでなければいけない場合は、竪穴区画、異種用途区画で、区画壁の直近の区画に煙感知器が設置されていない場合です。(直近の区画に制気口が無く、通過するだけの場合は、SFDとして、温度ヒューズもしくは、直近の区画の熱感知器で動作する事が可能になります) |
masa様 ご回答ありがとうございました。 なるほど。両方とも防火ダンパーなんですか。 つまり、ざっくり言うと、例えば竪穴区画に隣接する警戒区域内に煙感知器が無いような建物ですと、竪穴区画貫通部には単なるFD。竪穴区画の近くに煙感知器がある場合はSD。竪穴区画から煙感知器が遠い場合はSFDという使い分けという理解で宜しかったのでしょうか? |
若干違うところがあります。 竪穴区画の場合は、主ダクトに接続するダクトには、基本的にSDが必要なので、竪穴区画にSDが必要になります。 同一階に異種用途が存在しない場合は、SDは竪穴区画だけに必要になります。 その他の同一階の防火区画はFDとなり、竪穴区画のみSDを設置すれば良いことになります。 SD動作用の煙感知器は、主ダクトに接続するダクトの制気口が存する防煙区画ごとに必要になります。(防煙区画自体は、防火ダンパーは不要です) ここで、竪穴区画に接する防煙区画に制気口が無く、通過して竪穴区画の主ダクトに接続するダクトの場合は、隣接する防煙区画に煙感知器をつける必要が無いので、SDをSFDとして、隣接する防煙区画で火災が発生した場合は、SFDの温度ヒューズもしくは、隣接する防煙区画に設置する熱感知器でSFDを動作させる事が可能だと言う事です。 この場合は、竪穴区画に接する防煙区画に煙感知器を設置して、竪穴区画貫通部にSDを設置する方法と、竪穴区画貫通部にSFD(温度ヒューズもしくは、隣接防煙区画の熱感知器動作)を設置する方法のどちらかを選べると言う事です。 通常は、SFD(温度ヒューズ)を設置する方が隣接防煙区画に煙感知器を設置するより費用が安いので、SFDを選択する場合が多いと言う事です。 |
ご回答ありがとうございます。 竪穴区画に隣接する区画に煙感知器があるかないかで、SD、SFDを選択することになるのですね。 ちなみに、今回ご教示いただいた内容で、SDもしくはSFDとしなければならない防煙区画は、竪穴区画、異種用途区画で宜しかったのでしょうか?層間区画はFDで良いのでしょうか? 宜しくお願いします。 |
層間区画が要求される床の防火区画で、複数階に制気口があるダクトの貫通部は、SDの設置が必要です。 スパンドレルに該当する外壁フードなどは、防火ダンパーは特定防火設備(遮煙性能有り)を接続する必要がありますが、動作は温度ヒューズとなるので、FDとなります。(延焼のおそれのある壁で使用できる防火設備を内蔵した外壁用フードでは無く、特定防火設備内蔵の屋外フードである必要があります) なお、湯沸室などの火気使用室の排気を接続する場合は、誤作動防止の為に湯沸室内に煙感知器を設置できないので、湯沸室の隣接室の煙感知器及び、内蔵温度ヒューズで動作するSFDとする必要があります。 |
ご回答ありがとうございます。 やはり層間区画で制気口が付いているダクト貫通部はSDなのですね。 毎回、ご丁寧な解説をいただき長年疑問に思っていたSD、FD、SFDの使い分け等について、とても理解が深まりました。 ありがとうございました。今後とも宜しくお願いします。 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━