Page 3929 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 建築設備フォーラムへ ┃ 会議室に戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼上司直伝のダクト静圧計算 びべ 22/9/20(火) 16:00 ┗Re:上司直伝のダクト静圧計算 masa 22/9/20(火) 22:29 ┗Re:上司直伝のダクト静圧計算 びべ 22/9/21(水) 9:04 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 上司直伝のダクト静圧計算 ■名前 : びべ ■日付 : 22/9/20(火) 16:00 -------------------------------------------------------------------------
お世話になります。 「上司直伝のダクト静圧計算」について、皆さまのアドバイス等いただきたく投稿します。 通常、ダクトの圧損計算は、下記の流れと思います。 ①ダクト換気扇の必要排気量を求める ②換気扇から外部ベントキャップまでのダクトルートを設計 ③摩擦抵抗線図から風量とダクト径をたどり、圧力損失求める ④ダンパー、ベントキャップ等の各部材の静圧を足しこむ ⑤静圧-風量特性曲線より条件を満たす機種を選定 私の上司のやり方だと、簡便法として、下記の流れで図面作成しています。 ①ダクト換気扇の必要排気量を求める ②静圧50Paとなる時の機器風量で機種選定 ③換気扇から外部ベントキャップまでのダクトルートを設計 ④ダクトの損圧を計算 ※オリジナル?計算 ⑤ダンパー、ベントキャップ等の各部材の静圧を足しこむ ⑥静圧50Pa以下となることを確認 「正確ではないが安全側なのでOK」と言われておりましたが、 このオリジナルの計算がおかしいのでは?と思っています。 風量に関係なく、ダクト直管(m)に掛ける摩擦損失(Pa/m)を φ100:1.0 φ150:1.5 φ200:2.0 とし、継手に関しても、90L×1箇所に対して径ごとの同じ係数を掛けて算出しています。 φ150のダクトで延長が10m、90°曲がり部分が2箇所では、 10(m)×1.5(Pa/m)+2(箇所)×1.5(Pa/m)=15+3=18(Pa) というような具合です。 また、VC・フードやガラリ・フィルター類、吸込・吹出、ダンパー類は一律に10Pa×個数として足しこんで計算しています。 上司から教確認検査機構等に提出する図面には静圧計算書を付けるよう教わっており、私も上司も毎回このやり方で表計算をし、静圧計算図面として提出しています。(計算書の画像の一部を添付します) 今回改めて内容理解の為、必要風量と選定するダクト径から、風速及び摩擦損失を求め、その摩擦損失を用いて直管部分の静圧を求めてみたのですが、今までのやり方が安全側とは言えないように思えてきました。 今回、比較的大きめの物件をひとりで任されることになり、ひとり立ちの意味でもきちんとした算出方法を身に着けたいと思っています。 設備設計5年目にもなって今更疑問を持つのもどうかと思うのですが、ご意見いただけますと幸です。 |
一般的な換気系のダクト・送風機選択は以下のとおりだと思います。 機器の送風量(排気量)を決定する。 主ダクトの簡易選定として、低圧ダクトの場合、基準摩擦損失を1.0~1.5Pa/mでダクトサイズを決定する。 最大摩擦損失経路となるダクト系の圧力損失を選定ダクトで計算する。(局部・制気口・吐出口の圧力損失も加算する) 圧力損失は、局部損失を全圧損失基準の圧力損失係数(ζ)で算出している場合は、合計の圧力損失から、送風機の吐出動圧を減ずる。(低圧ダクトの場合は、通常は余裕として減じなくても良い、高圧ダクトの場合は吐出動圧が大きいので減ずる) 得られた圧力損失に余裕係数(1.1~1.2)を乗じて、送風機静圧を決定する。 なお、排気系で、給気ファンが無い自然給気の場合は、給気系の圧力損失を、排気系の圧力損失に加算する必要があります。(給気系の圧力損失は、ドアなどの開閉に支障があるので、通常は50Pa未満に設定する必要があります) 参考計算例 排気量200m3/h、排気ダクト長さ10m、90°ベンド3か所、給気は自然給気のベンドキャップの場合 給気ベンドキャップの決定 圧力損失50Paで風量200m3/hが得られるベンドキャップサイズを決定 西邦工業 CFX-MS 125Φ 圧力損失 30Pa(200m3/h)を選定 排気ファン主ダクトの選定 200m3/hで1.5Pa/mで選定 ダクト抵抗線図からは、140Φが200m3/hで1.5Pa/m、スパイラルダクトの標準径では150Φとなる。(150Φの場合は、200m3/hで1.1Pa/mとなる) 90°ベンドの局部損失(プレスベンド150Φの場合、ζ=0.25) ダクト断面積=0.15^2×3.14÷4≒0.0176㎡ ダクト風速V=200m3/h÷0.0176㎡÷3600s≒3.16m/s 局部損失=ζ×V^2÷2×1.2=0.25×(3.16)^2÷2×1.2≒1.5Pa/箇所 簡易的に150Φ、R=1.0dの場合の直管相当長さ2.3mを用いても良い。 排気ベンドキャップの圧力損失 西邦工業 CFX-MS 150Φ 圧力損失 18Pa(200m3/h)を選定 排気系の静圧損失の計算 直管損失=10m×1.1Pa/m=11Pa 局部損失 90°プレスベンド 1.5Pa/箇所×3=4.5Pa 排気ベンドキャップ 圧力損失 18Pa 排気系圧力損失合計=11+4.5+18=33.5Pa 給気系圧力損失=30Pa 排気系圧力損失+給気系圧力損失=33.5+30=63.5Pa 排気ファン吐出動圧=(3.16)^2÷2×1.2≒5.9Pa 静圧損失=63.5-5.9=57.6Pa 排気ファン静圧=57.6×1.1=63.36Pa→65Paを選定(送風機吐出動圧を減じない場合は、63.5Pa×1.1=69.85Pa→70Paを選定) |
masa様 ありがとうございます。 計算例が大変参考になりました。 さて、私の上司の方法ですが、簡易選定の方法としては条件付きで間違いでなさそう、という理解をしました。 送風量を決め、予め摩擦損失が1.0~1.5Pa/mになるようにダクトサイズを選定しておけば、おおよそ間違いは無さそうと思います。 その場合、送風機の機器接続口径と必ずしも同じにはしない、ということでしょうか。 台所用の天井扇等はφ150の接続径で風量がかなり大きいため、ダクトを太らせない限りは摩擦損失の値が1.0~1.5を大きく上回ります。 仮に500m3/h,φ150,粗度0.03mmとすると4.21 Pa/mになってしまうので、摩擦損失1.0~1.5となるようなダクトを選定するとφ200となります。 ダクトルートが長い場合はφ200で選定し、短ければφ150を選定して摩擦損失を4.21Pa/mで計算し直すのがよいでしょうか。 |
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